ホントノエストニセモノエム【黄瀬涼太】

恥ずかしい勘違い ページ13

まどか 「こんな時は愛しの彼氏様に会いたいものだ・・」





愛しの彼氏様・・





窓の外を見つめながらそう話すまどか・・





you 「仲が宜しい事で・・ようござんす」





海常高校の先輩であり・・





黄瀬とのつながりも深い人物・・





まどかの彼氏様は・・





元海常高校バスケ部キャプテン笠松幸男である。





女嫌いで有名だった笠松先輩・・





取り分け男に興味があった訳でもないまどか・・





この２人がどうして付き合う事になったのかは・・





またの機会に・・(笑)





そんな２人・・





順調にお付き合いも続いている様で・・





you 「先輩・・大学でもモテそうだよね。心配じゃないの？」





そうまどかに聞くと・・





まどか 「んー・・心配だけど、大丈夫だと思うよ」





男気溢れる笠松先輩・・





それでもまどかの事になると・・





オロオロしているから面白い。





先輩が前を行くように見えて・・





実はまどかの掌の上な感じが私にはとても面白いし・・





思いあう２人を見ていると・・





彼氏が欲しいとか思ってしまうわけだ。





・・が





今の私を好きだと言ってくれる人は・・





虐められたいＭばかり・・





そんな趣味は私にはないのに。





you 「はぁ・・」





・・だって本当の私は――





ﾓﾌﾞ男 「尾澤！おいっ・・呼ばれてんぞ」





机をトントン叩いて私を呼んでいる隣の男子。





you 「は・・？」





少しばかりボケた声を出した私に・・





先生 「どうしたぁ？そんなに俺の授業がつまらねーか？」





しまったぁー！





授業始まってた・・





you 「いえ・・全くそう言うわけではなくてですね・・すみません」





教室中笑いに包まれた。





呆れ顔で私を見たまどかは・・





アホと言わんばかりの顔をして前を向いた。





ふと外を見ると・・





体育の授業中の黄瀬を発見。





you 「今日はサッカーか・・」





１人２人と相手をかわしながらゴールへ向かうその姿・・





確かにかっこいい。





あれ・・？





こっち見た・・





you 「・・へ？」





小さく手を振った黄瀬。





それにつられて思わず手を出しそうになった時・・





その手を振った相手が私じゃないんだと知った。





you 「・・うわぁ、恥ずかし」





思わず手で顔を隠した私は・・





その手を振った相手を思わず見つめた。

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