夢と涙 ページ9
神社の境内に居座る子どもが一人。
何が悲しいのかしゃくりを上げて泣いていた。
「おい」
声をかけられて顔を上げると片目を包帯で巻いた少年がいた。
「アンタ、なんで泣いているんだ？」
木刀を片手に持って、少年は自分より小さい子どもに問いかける。
「父上と母上...死んじゃった...それで...怖い男の人に家焼かれちゃった...」
手で顔を押さえながら子どもはわんわんと泣いた。
「...そっか。それは大変だったな」
少年は子どもを泣き止まそうと不意に手を伸ばして髪を撫でた。
梵天丸「俺は梵天丸。アンタ、名前は？」
「...A」
梵天丸「Aか。よし、覚えた！A、俺と一緒に来いよ！」
「...え？」
梵天丸「俺の配下に加えてやるよ！だから一緒に来な！」
梵天丸に差し出された手をまだ覚えている...。
拾ってくれたのだ。
行き場のない自分を...
なのに......
A「...っ！」
Aの視界に映るのは天井。
しかし、いつもの天井ではない。
A「...夢か」
むくりと起き上がり、瞼を手で抑えた。
少し頭痛がしたが、まあ、気にする程度ではない。
三成「A、起きているか？」
障子越しに人影が見えた。
三成である。
A「...あぁ」
情けない返事を聞くと三成が障子を開けてきた。
三成「今日から貴様のやる仕事についての内容を......どうした？」
A「...？」
突然三成がAの頬を触った。
A「な、何をするっ！」
すぐに手を払い除け、Aは警戒するような目で三成を見た。
三成「頬が濡れていたからな」
今度は自分で頬を触ってみる。
確かに、涙で濡れた痕があった。
三成「顔を先に洗ってこい。仕事の話はそれからだ」
三成は立ち上がり、Aの部屋を後にした。
A「私...泣いてたんだ...」
涙を拭いながらAは、梵天丸の事を思い出していた。
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三楓(プロフ) - 桜華乱さん» コメありがとうございます！なるべく毎日更新できるよう頑張ります(*´∀｀*) (2016年10月31日 20時) (
レス) id: 926113a11c (このIDを非表示/違反報告)
桜華乱(プロフ) - 三楓さん» スッゴイ面白いです！更新頑張って下さい！さて、この後どうなる事やら・・・w← (2016年10月31日 20時) (レス) id: 15b036f407 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - あいなさん» コメありがとうございます！更新頑張ります(*´∀｀*) (2016年10月31日 20時) (レス) id: 926113a11c (このIDを非表示/違反報告)
あいな - めちゃくちゃおもしろいです！！頑張ってください！ (2016年10月31日 18時) (レス) id: dff3a233b0 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 美地さん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2016年10月26日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2016年9月8日 16時
