入れたり尽くせたり ページ28
三成「A」
書物を読んでいたAの部屋の障子が開かれた。
A「あ、三成」
三成「少しいいか？」
A「うん」
読んでいた書物を机に置き、三成はAの部屋に入る。
三成「近々、戦があるかもしれん。それもこの大阪で」
A「いきなり本拠地攻められるんだ」
三成「敵は真っ直ぐこちらに向かっていると聞く。秀吉様の出る幕ではないが、万が一の時に備え、貴様は私の城で預かることにした」
A「三成の城で？」
三成「そうだ。不服か？」
A「いや、そんなんじゃないけど......」
三成「今日のうちに出立する予定だ。今のうちに荷物はまとめておけ」
A「...」
三成「...どうした？」
A「あ、いや...なんだか、凄く気を使われてるような気がして...悪いなぁ、って」
三成「私が良かれと思ってやっているだけだ。貴様が気にすることは無い」
A「ほんとにありがとう」
三成「....気にするなと言っただろう」
三成は僅かに顔を逸らしてその場を退出した。
***************
Aが荷物をまとめ終わると、正面門の荷台に荷物を乗せた。
A「こんなに持っていくもんなの？」
三成「どのくらいの期間かまだはっきりは分からないからな。念のためだ」
風呂敷くらいの荷物を持って行こうとしたAだったが、それでは足りないと三成様が荷台を用意させたのだ。
A「っていうか、これ誰の着物？多くない...？」
三成「貴様のだ」
A「へぇー...え？ちょっと待って？初耳なんだけど？」
三成「これらは貴様の物だ」
A「いやいやいや!?なんでこんなに着物あるの!?しかも高そうなやつばっかり...」
三成「どれが好みか分からんからな。一応、店の一番いい物を片っ端から...」
A「え？三成が買ったの...？」
三成「他に誰がいる。なんだ？全て好みでは無かったか？」
A「そう言う訳じゃなくて、なんて言うんだろ...私には勿体ないくらいと言うか......」
三成「私はこれから軍議がある。後でどれが好みだったか教えろ。いいな？それと籠も用意させている。それで行け」
A「は、はぁ...」
慣れない籠を見て、これは高貴なお姫様が乗りそうなやつじゃないかとAは思った。
更に荷台に載せられた着物も様々な種類があり、どれも美しい。
A「三成って、入れたり尽くせたりだなぁ...」
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三楓(プロフ) - 桜華乱さん» コメありがとうございます！なるべく毎日更新できるよう頑張ります(*´∀｀*) (2016年10月31日 20時) (
レス) id: 926113a11c (このIDを非表示/違反報告)
桜華乱(プロフ) - 三楓さん» スッゴイ面白いです！更新頑張って下さい！さて、この後どうなる事やら・・・w← (2016年10月31日 20時) (レス) id: 15b036f407 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - あいなさん» コメありがとうございます！更新頑張ります(*´∀｀*) (2016年10月31日 20時) (レス) id: 926113a11c (このIDを非表示/違反報告)
あいな - めちゃくちゃおもしろいです！！頑張ってください！ (2016年10月31日 18時) (レス) id: dff3a233b0 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 美地さん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2016年10月26日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2016年9月8日 16時
