丘 ページ18
そう長くはない距離を馬で走らせる。
後ろに乗せられたAは落ちまいと耐えるが、馬を走らせた途端にぐらりと態勢を崩したので今は仕方なく三成の背にしがみついている。
三成「...ついたぞ」
三成が手綱を引いたと同時にAが前を見た。
A「...わっ」
丘の上から見えたのは城下町と天守閣。
高い丘でも大阪城は目線よりも大きい。
A「おっきぃ...」
Aは思わず言葉を漏らす。
三成「まあ、気晴らしにはなろう」
A「あ、うん...」
三成「あれがいずれ秀吉様の天下の象徴となる」
A「天下、か...」
三成「そうだ。秀吉様が天下をお取りになれば、もうあのような事は起きないだろう」
A「あのような事？」
三成「戦場となった村で親を殺され、居場所を失った貴様の事だ」
A「あ...」
三成「神社で泣きじゃくっていたな」
A「なっ...余計なお世話だっ//！」
三成「ふん」
ふいっと顔を逸らしたAの頭に、ぽんっと何かが置かれた。
A「？」
三成「...」
Aの頭に手を置いた三成はそのままわしゃっと髪を撫でる。
A「な、なにさ...」
三成「いや、別に」
その手にAは、政宗とは違った暖かさを覚えた。
A「えっと...今更だけど......私を助けてくれてありがとう...」
三成「本当に今更だな」
A「い、いや、でもまだ豊臣に仕えるとは言ってないし、まだお前を許した訳でも...ないからな！」
三成「勝手に言ってろ」
僅かに頬を染めて言ったAを見て、三成はふんっと鼻を鳴らした。
三成「そろそろ行くぞ。軍議が始まるからな」
三成は踵を返し、馬を置いたところに足を進めた。
Aもその後を追うが途中で何を思ったか足を止めた。
A「あれ...私、石田に昔の話なんてしたっけ...？」
立ち止まるAにひんやりとした風が「早く行け」と言うようにAの背を押した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三楓(プロフ) - 桜華乱さん» コメありがとうございます！なるべく毎日更新できるよう頑張ります(*´∀｀*) (2016年10月31日 20時) (
レス) id: 926113a11c (このIDを非表示/違反報告)
桜華乱(プロフ) - 三楓さん» スッゴイ面白いです！更新頑張って下さい！さて、この後どうなる事やら・・・w← (2016年10月31日 20時) (レス) id: 15b036f407 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - あいなさん» コメありがとうございます！更新頑張ります(*´∀｀*) (2016年10月31日 20時) (レス) id: 926113a11c (このIDを非表示/違反報告)
あいな - めちゃくちゃおもしろいです！！頑張ってください！ (2016年10月31日 18時) (レス) id: dff3a233b0 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 美地さん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2016年10月26日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三楓 | 作成日時：2016年9月8日 16時
