�境将� ページ15
孫市「やはりお前はカラスだな」
孫市は愛用の鉄砲を肩に乗せて家康を見下ろした。
家康「孫市...どういう事だ」
孫市「そのまんまの意味だ。お前は後ろから黒い手が迫っていたのに気が付かなかったのか？」
家康「まさか...それで...」
孫市「助けた訳ではない。その娘を早くこうしなければ犠牲者が更に増え続けるだろう。それに...この娘の中には第六天魔王の魂が宿っている。無数の屍を求める事でそれは復活する」
家康「だからってAを...！」
孫市「まだ分からないのか？魔王が復活すれば更に犠牲者が増える。それに、魔王は先代の仇だ」
家康「っ...」
孫市「その娘が乱世の元凶と呼ばれているのは知っているか？」
嫌というほど聞いた単語が孫市からも発せられた。
孫市「それはその娘が第六天魔王を封印した入れ物だからだ。人間ではない。入れ物なのだ」
家康「違う...Aはちゃんとした人間だ。笑ったり泣いたりして忙しい奴なんだ...」
孫市「その娘を気に入っていたのかは知らんがどっちにしろ、魔王がいる限りお前の望む世の中は来ない。...致命傷は外しておいた。最期の別れでもするといい」
家康「っ...」
孫市の言葉が突き刺さる。
傷口を抑える家康の手も血に染まっていく。
家康「誰か...医者を呼んでくれ！誰か...」
人々に呼びかけるが、自分たちを襲ったAを助ける者は誰一人いなかった。
A「ごほっ...こほっ...」
家康「A！」
血を吐くAの顔をのぞき込む。
Aは虚ろに家康を見つめた。
A「いえ...やす...？」
家康「今医者を呼んでやるから待ってい...」
Aは首を振った。
家康「駄目だ。こんな傷を負って大丈夫な訳が...」
A「これでいい...これで、信長が...復活することは...」
家康「駄目だA...まだお前と行きたいところがいっぱいあるんだ...！」
A「これで...やっと、終われる...」
家康「待て！まだ...儂の太平の世を見せてない!!」
家康の頬にAの手が触れた。
A「家康...ありがとう...」
家康「Aっ...儂は、儂はっ...」
こぼれ落ちる涙がAの頬にぽたりと落ちた。
すっと、Aの手が離れる。
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三楓(プロフ) - 三菱さん» コメありがとうございます(*´∀｀*)織田信長の復活＝乱世という事だったので夢主ちゃんが入れ物でなかったら少しは違っていたのかも知れませんね... (2016年9月11日 7時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
三菱 - 完結おめでとうございます。この結末を見ると夢主ちゃんが乱世の元凶じゃなかったらハッピーエンドだったかも……と考えてしまいます。今回も素晴らしい作品をありがとうございました！これからも応援させて頂ます！ (2016年9月11日 3時) (レス) id: 9c81714b7e (このIDを非表示/違反報告)
クリスタル(プロフ) - badendだなんて、あたしは思ってませんよ(^-^)家康さんも夢主ちゃんも死に別れちゃったけど、お互いが出会って、忘れられない存在になれただけでも…十分な一時を過ごせたんじゃないかなぁ…。 (2016年9月9日 18時) (携帯から) (レス) id: 012b0e5baa (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - クリスタルさん» コメありがとうございます(*´ω`*)BADENDで終わってしまいましたが見てくださって本当にありがとうございます！ (2016年9月9日 6時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
クリスタル(プロフ) - 家康さあぁぁぁあん!!!嗚呼…本当に…お疲れ様でした…家康さんも夢主ちゃんも三楓さんも…本当に完結おめでとうございます!!このお話は絶対忘れません!!またこれからも素敵なお話を書いて下さい、応援しています!! (2016年9月9日 1時) (携帯から) (レス) id: 012b0e5baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2016年7月12日 16時
