俺はお前に毒された (ページ8)

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大会当日。

　同じく無冠の五将である木吉率いる誠凛高校に敗北した。ラフプレーでかなりの痛手を負ったはずが、見る間に点数を入れられ、試合終了の笛の音が俺達の終わりを告げた。

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「あいつら…見てやがれ……」

「そんなカッカしないでよ～。次、見せてやろうじゃん？」

　更衣室で着替え終わり、会場をあとにした。普段ならミーティングをする為に一旦部室に戻るのだが、今回ばかりは気乗りしなかった。

　まだ赤紫を映す空。今日は解散だと伝え、他の部員と分かれる。俺は部員に背を向け、いつものように体育館に足を運んだ。

学校に入り、体育館に向かう途中。

「花宮」

後ろから鬱陶しく聞こえるのはあいつの声。

「ねえ」

　嗚呼、鬱陶しい。いつもと調子のかわらない脳天気な声色に、不快感が増す。今はお前なんかと話す気はさらさらねえんだよ。不機嫌丸出しの顔を向けると丸い目がこちらを捉える。

「試合、負けたんだってね。SNSで結果バンバン更新されてる」

　ほら、と向けられる携帯画面。画面に映された動画と、その下に記載されている点数。ついさっきの出来事が鮮明に思い浮かぶ。

「っるせえな」

　イラつくのを抑え、前に進む。俺の足音より少し軽く小刻みに追いかけてくる音は恐らく、いや、確実にあいつのものだろう。

「ついてくんな」

「やーよ」

「一人になりてえんだよ」

「何で？余裕で勝てると思った相手、例えばいい子ちゃんに負けたからとか？」

ぶつん。何かが切れる音がした。