【東京喰種】理解者 β

β-understand４ ページ4

「今日も行くの？」
「あぁ」




毎日尋ねてくる。
人間を殺しに行くのかどうかを。





それは人間を殺したいからなのか、毎回付いて来る。





「何だろう、アヤトくんが心配なの
　何処かへ行ってしまうんじゃないかって」



以前何故そんなにも俺の動向が気になるのかを聞いてみると、このような返事をされた。

「そうかよ」


あの時はこう、無愛想にしか答えられなかったけれど、内心はもう少し子供だった。

『それはお前の方じゃないか』




思った事を口にすることがこんなにも難しく、こそばゆいものだったなんて。





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Aに会ってから、こんな事ばかり考えている気がする。






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「ん、上手くいった」




鱗赫を使いこなし、人間を数人串刺しにし嬉々として惨殺を続けるA。

子供のようなはしゃぎ方ではなく、まるで本でも読むような静かな喜びが見て取れた。




Aは男も女も学生も子供も容赦がなかった｡
そこが気に入られ、タタラさんにも正式にアオギリの樹への入団を認められていた。





「痛い？」
「う"…グぇ……ｶﾞﾊｯ」



腹部に赫子を突き刺され、虫の息の人間達。
傷口から、口から、どろどろと止めどなく溢れる血液は、まさにオアシスといった所か。

嬉しそうに美味しそうにそれを舐める。飲む。








顔が血まみれになっても、Aの表情は曇るどころか更に明るくなっていた。



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綺麗な光景だと思う俺は、そろそろどうかしているかもしれない。

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