【東京喰種】理解者 β

β-understand３ ページ3

…………遅い。




アイツが外にでてからもう４時間が経った。
大したことない時間かもしれない。


Aの事だから適当に街でもぶらついているのかもしれない。

例えAが捜査官に捕まって社内に入れられたとしても隻眼の喰種に反応はしないはすだ。


そもそも赫子をだしさえしなければ基本的に喰種とバレる心配などしなくてもいい。



それなのに。




不安な要素なんてどこにもないはずなのに。









.








「…っとに……馬鹿野郎……」






.









いちいち不安になる俺の方がどうかしてんのかもな…。







.









.









.









.









「ただいま」

「……」



Aが帰ってきたのは11時を回った頃。






「…何怒ってるの」
「別に」





.








Aはふう、とため息をついてこう言う。






「心配、してた？」

「は？｣

「してくれてたのね、その反応」


「〜〜〜〜〜〜っ！」
　



頭上にぐじゃぐじゃとしたマークが出てきそうなほど言葉に詰まる。







クソッ、とぼそり呟いて前髪をくしゃり握る。








「ごめんね、ありがとう」






子供をあやすような口振りに少しイラついたが、優しい声に思わず顔を上げる。


「っ！」







「ん？」








.








Aの長かった黒髪は首が少し隠れる程度まで切られていて。




「どう？似合う？」



癖毛のため違う方向に跳ねるその髪がAの動きに合わせて揺れる。




「…別に」




「アヤトくんの別には褒め言葉か照れ隠し、だから褒め言葉てして受け取っておくね」







.






｢…ちっ｣


舌打ちを聞いて、何故かAはくすりと笑った。

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