夕空の調べ【テニプリ短編集】【立海】 (ページ9)

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だいすき（１）切原赤也ページ9

「はい、ドリンク。ロードワークお疲れ様。」

「ありがとう」

私は立海テニス部のマネージャーだ。ロードワークから帰ってくるメンバー達にドリンクを渡して労う。今渡したのは幸村君。相変わらず爽やかで見ていてこっちが癒されるような男子だといつも思う。

ロードワークの後はコートに入っての練習。みんな一生懸命だなぁ。あ、赤也が真田君に怒られてる。まあいつものことなんだけど。赤也、相変わらずだよなぁ…

なんて眺めていると、いつのまにか日が傾き始めそろそろ練習時間も終わりに近づいてきた。マネージャーとしての仕事をせねば、そう思いながら私はコートでみんなの片づけの手伝いに入っていく。

片づけが終わり全員で集合する。「みんな、お疲れ様。それじゃ今日は解散。朝練遅刻しないように」部長の幸村君が解散のあいさつをするとすかさず真田君の言葉飛んできた。

「うむ、赤也。お前のことだぞ」真田君は厳しい目つきで赤也のほうを向いた。

「ちょ、今日はしょうがなかったんスよ！…あ！そうそう道端にいたおばあちゃんを助けてて」

「今月おばあちゃん助けるの何度目だよ…もうちょっとマシな嘘つけねぇのか」丸井君があきれ顔で呟いた。確かに。

「とにかく、遅刻はもう許さないからね。分かった？赤也？」

「…ハイ」

にっこりと笑みを浮かべた幸村君に対して赤也は小動物のように震えながら返事をした。
「よし、それじゃ解散！」幸村君の声で各自解散を始めた。