夕空の調べ【テニプリ短編集】【立海】 (ページ3)

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かかわり（３）ページ3

「お、おい。そのグラスは…」

真田がなぜ慌てているのか意味が分からず、ふと飲んでいたグラスをみる。

真田のグラスだった。

『えっ！！ごめん！！グラス変えてくるね！！！』

「い、いや大丈夫だ。そのまま使うから問題ない」

いや、汚いでしょ！

『汚いから変えてくるよ…！ほんとごめん』

「俺は変えたいなんて思わないが！」

真田が突然大声を出してた。周りのお客さんも見てるし、恥ずかしくてそのままご飯を食べて店を出た。

二人で並んで歩きながら、私はさっき真田が言ったことが頭の中をグルグルしていた。

変えたいと思わないってどういうことだろう。

「さっきは大声を出してすまなかったな」歩いていた足を止めて真田が呟く。

「俺はお前のことが嫌だとか思ったことはない、むしろ…」

そこで真田は言葉を止めた。真剣な眼差しで私を見つめる。

顔が熱い。もしかして私、真田のことを…

「俺はお前が好きだ、A」

真田が私をまっすぐに見つめて言葉を紡いだ。

震えるような、今にも泣きだしそうな顔で。

『私も、好き』

私は、私も、ずっと伝えたかったのかもしれない。何か理由をつけては、学校で真田と関わりを持ちたくて。今日だって。今日が運命だったのかもしれない。

私と真田は微笑みあった。