夕空の調べ【テニプリ短編集】【立海】 (ページ13)

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だいすき（５）ページ13

よし、このまま眠ってしまおう。そう思って目をつぶっていると、後ろで気配がした。

「A先輩？まだ起きてます？」耳元で赤也の息遣いを感じる。私の布団に赤也が入り込んできていのだ。

「な、なに」何が何だか分からず、恥ずかしさと理解が追い付かずに固まっていると、赤也が続けた。

「今日の帰り道で言ったこと覚えてます？…あれ、俺本気スから」

…付き合ってるって思われてもかまわないってこと？そう問いかけてみると、それ以外ないじゃないスか、と何度も言わせないでくださいよと言いたげな少し怒り気味に返ってきた。

「俺はずっとA先輩のこと好きがだったんスよ、なのにA先輩はいつも俺のことなんか興味ない素振りで…」

どうしよう、すごく嬉しい。でも恥ずかしくて赤也のほうを向けない。何も言えずにモジモジしていると、赤也がしびれを切らしたように、私の肩をつかんで赤也のほうに向かせた。

「さっきから俺ばっか話してて、だんまりなんてA先輩ずるいっスよ。先輩の気持ちも聞かせてくださいよ。」赤也の気持ちを聞いて初めて見る顔は薄暗い中でもわかるくらい泣きそうな顔だった。

その顔を見たとき私は確信とともに伝えることを決意した。

「赤也、私も赤也が好きだよ」

赤也を見つめ返して私は笑った。