【あんスタ】幼馴染はいつも噂をされている part2

らしくない ページ2

千秋Side


＿奪っちゃうよ？


あー、いかんいかん。


瀬名の言葉が脳内を荒らしてくる。部活に集中しなければ。


「あ、せんぱ」


「い"っ！？」


きゅ、急にボールが飛んできたぞ！何事だ！？


「何やってんすか…。パス練してる時に呆けないでくださいよ」


そ、そうか。俺は今、高峯とパスの練習をしていたのだったな。


「さあ、どんとこい！どんな球でも俺が受け止める！！」


「……」


「痛いぞ高峯！パスはもっと相手を思いやってだな…！」


「すいません、わざとっす」


「え！？」


こ、後輩が…。


後輩が冷たい！いつもだが！


「ふん、調子戻ったっすか？」


「へ？」


「だからっ」


そう言うと、間抜けな顔をしているであろう俺に高峯が面倒くさそうに、吐き捨てるように言った。


「なんか、元気ないし、ぼーっとしてるし。いつもはうざいけど張り合いないんすよ、あんたがそんなだと！…うざいけど」


「う、うざいって二回言った！」


「いくらでも言ってやりますよ。それともなんすか、幼馴染さんっすか？」


えっ、なん、


「何故知ってる！？」


「ほら、噂で」


まさか、奏汰の言っていたあの変な噂が一年生にも！？恥ずかしい！！


「ま、興味ないんすけどね。あんたの事とかどうだっていいし…。けど、迷ってるなんてらしくないし、あんたはあんたのやり方で思い伝えればいいんじゃないすか？」


らしくない、か。


「ふふ、ありがとな高峯」


「別に…って、抱き着くな！暑苦しい！！」

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