六閃 使者と自分の立場 ページ37
本丸生活八日目の夕方。私が政府から送られてくる書類に勤しんでいると
「すいませぇぇぇえん！ごめんくださぁぁぁぁあい！」
本丸中に来訪者の声が響き渡る。
あまりの声量に驚いて、書類を取り損なってしまう。
書類を机の左端に片付けて、急いで玄関に向かうと、そこには薬研君の姿があった。ドタバタと慌ただしい足音をたてる私に気づき、振り返り
「一週間前に大将が電話した、鎮圧部隊から使者だそうだ。俺っちは茶菓子の用意をしてくる」
去っていく薬研君に「お願いします」声をかけて使者の彼と向き合う。
「はじめまして薫さん、自分特別鎮圧部隊からの使者として来たソウって言います！」
彼ーーソウさんの第一印象は元気な人、であった。
「一週間前の男士達を引き取りたいとの電話をもらい、上司は忙しくてこれないので代わりに自分がきました」
『ご苦労様です、どうぞお上がりください』
「お邪魔しまーす」
仕事で来たというのになんとも緩い調子で、まるで友人家に上がるかのような声音である。漆黒のアタッシュケースを肩に担ぎ靴を脱ぐ。
私の自室に行く途中にジャージ姿の、掃除をするのに布を被っていては邪魔臭いと言って布を被っていない山姥切さんを見てソウさんは驚愕の表情を浮かべ
「まんばが布を被っていない、…。ユメじゃない」
しきりに左頬をつねっていた。
私達が部屋に到着して間も無く、薬研君がお盆に二つの湯のみと茶菓子を持ってやって来た。
「俺っちは隣室で薬剤を調合しているから、用があったら呼んでくれ」
薬研君白衣を翻して部屋を出て隣室へ行くと、ソウさんは障子を閉めた。一体今からなにをするのかと、疑問に思いながら観察する。ソウさんはアタッシュケースから四枚の紙を取り出して四方に貼り、ブツブツとなにか呟いて私の前に胡座をかいて座り、お茶をぐっとあおって菓子を囓った。
壁と障子に貼られた紙には梵字が書かれていて、前に読んだことのある漫画で平安時代を舞台に活躍した陰陽師の使っていた札を彷彿とさせて、とても興味がわいた。じー、とお札を見つめていると、
「あの札は特殊で、外に音が漏れるのを防ぐ効果があって、誰か聞かれたくない話をするときにとても便利なんですよ」
聞かれたくない、話・・・・・。
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新選組(プロフ) - 繭姫さん» 指摘していただき、ありがとうございます(*^^*) (2017年1月9日 6時) (
レス) id: 56b4a7f52f (このIDを非表示/違反報告)
繭姫(プロフ) - 設定の養父の平仮名の名前のとこ、(あきひろ)だと思いますよ。横から失礼しました。 (2017年1月8日 15時) (レス) id: 2b2cd99b08 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 鏡燐さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ございません。間違いを指摘していただきありがとうございます。これからも間違いや脱字等などございましたら、ご指摘お願いします (2016年7月19日 15時) (レス) id: 99972413c8 (このIDを非表示/違反報告)
鏡燐(プロフ) - あの、４ページの薬研の時間２０分ですよ３０分ですと、厚か、平野になりますよ！更新頑張って下さい (2016年7月10日 6時) (レス) id: d132965d79 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 風月 羽鶴さん» 二日目、ですと？！ (2016年4月11日 23時) (レス) id: 56b4a7f52f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新選組 | 作成日時：2015年9月20日 17時
