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「ーーッ、ハアハア」
斬られた頬が、腕が、腹が、脚が痛い。一歩踏み出す度に、ズキズキと痛む。次第に視界も霞だした。遂には立っている事さえ辛くなり、壁伝いに歩行しなけれ歩くことが困難になってきた。
「ヒュー、ヒュー」
呼吸も荒いものからだんだんと、か細い過呼吸へと変わっていった。
やっとゲートへと辿り着いた俺は、ゲートをくぐると安心感からか、意識を手放した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー目を開くと薄ぼんやりとした視界の端々(はしばし)に、主や西村さん？、薬研藤四郎がいた。俺が出陣していた間に、鍛刀したのだろう。薬研藤四郎は政府にいたとき何度か見かけたことがある。その薬研藤四郎も、俺に物事を教えてくれた“俺”と同ように事情があって政府で手伝いの仕事をしていた
『やまん、ばぎり、さん…』
名を呼ばれ、薫の方見れば。先程よりもハッキリした視界の中に、少し充血した目をした、薫の顔が映った。俺よりも小さな肩は、僅(わず)かに震えていた。その姿に胸が締めつけられたかのような痛みが、ズキッとした。自分と比べると一回りもふた回りも小さな手を、布団から手をだしてそっと握った。
ピクリと跳ねた、白くて細い指は。俺の手を遠慮がちに握り返した。
『ごめん、なさい。私のせいで……』
薫の両目から涙がとどめなく溢れ、こぼれ落ちた数滴が俺の手を濡らした。謝罪の言葉を呟いた薫を見上げながら、俺は
「気にするな、アンタが、悪いわけじゃない。こうなる事は、敵を目の前にした時点で予想はできていた。それに謝るのは。の方だ、力及ばずアンタを心配させ、悲しませた。すまない」
『山姥切さんは悪くありません。まだお互い未熟だから、これから頑張っていけばいいと、私は思います』
「そうだな、千里の道も一歩からと言うしな」
ふっと微笑めば、薫は微笑み返してくれた。その笑みはとても綺麗で、俺には眩しく光ってみえた。心臓が早鐘をうったかの如く動き、熱が顔に集中した。
「ゴホン」
わざとらしい咳ばらいが、枕元で聞こえた。名残惜しいが、手を放して体を起き上がらせると。咳ばらいの正体はこんのすけてあった。
「審神者様、山姥切国広のキズは全て治りました。目も覚ましましたし、薬研藤四郎と共に本日二度目の出陣へと参りましょう」
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新選組(プロフ) - 繭姫さん» 指摘していただき、ありがとうございます(*^^*) (2017年1月9日 6時) (
レス) id: 56b4a7f52f (このIDを非表示/違反報告)
繭姫(プロフ) - 設定の養父の平仮名の名前のとこ、(あきひろ)だと思いますよ。横から失礼しました。 (2017年1月8日 15時) (レス) id: 2b2cd99b08 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 鏡燐さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ございません。間違いを指摘していただきありがとうございます。これからも間違いや脱字等などございましたら、ご指摘お願いします (2016年7月19日 15時) (レス) id: 99972413c8 (このIDを非表示/違反報告)
鏡燐(プロフ) - あの、４ページの薬研の時間２０分ですよ３０分ですと、厚か、平野になりますよ！更新頑張って下さい (2016年7月10日 6時) (レス) id: d132965d79 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 風月 羽鶴さん» 二日目、ですと？！ (2016年4月11日 23時) (レス) id: 56b4a7f52f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新選組 | 作成日時：2015年9月20日 17時
