２ ページ3
「それで、うちの妹になにか御用で？」
ギラリ。眼鏡を光らせて鋭い眼を細めて、義博兄さんは女性を見た。
女性は黒いバックから、白いタブレットを取り出して数回スライドさせたのち、楽しい審神者生活、と可愛らしいピンクのロゴでかかれたページを開いた。タブレットをテーブルに置き、こちらが見やすいように、くるりと回す女性は膝の上に手を置くと、家の前で見せた笑顔から一変して、真剣な顔をした。
「改めて自己紹介させていただきます。私は未来からきました、政府で働いている原 義といいます。今未来では、歴史修正主義者と呼ばれる者達によって、政府は大変困り果ております」
「歴史修正主義者？名前ど通り、歴史でも修正するんですか」
バカにしたような義博兄さんの言葉に、義さんは真剣な面持ちで頷いた。その義さんの真剣な顔と放っている雰囲気が冗談とは思えなくて、「おいおい嘘だろ、冗談だと言ってくれ」と嘆きながら、義弘兄さんは前屈みになって両手で顔を覆った。
私は義博兄さんを横目に、休むことを伝える為にバイト先の店長に電話する。数秒のコール音のあと、はい、としわがれてはいるが凛とした声が聴こえた。私のバイト先は、死んでしまった実父がバイトしていた所でもある。あれは私が高1の夏、友達と遊びに行くお金が欲しくてアルバイトを探していると、家からは遠いが自転車で行ける距離にある喫茶店がバイトを募集していた。日給が書かれた欄に目をむけると、そこにはコンビニよりも高い日給額が書かれていた。さっそく電話をして履歴書を持って面接に行くと面接官らしき、四十代くらいの男性が私の顔を見た途端、晴れた空に負けないくらい顔を青くし
「て、店長っ！ゆ、ゆ、ゆうれ、先輩の幽霊が、帰って来ました！」
そう叫びながら、奥の部屋へ駆け込んで行ってしまったのを鮮明に覚えている。茫然と立ちすくんでいると、男性は六十代後半と見られる、男性の手を引いて戻って来た。
「ほら、店長。先輩の幽霊ですよ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 239人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
新選組(プロフ) - 繭姫さん» 指摘していただき、ありがとうございます(*^^*) (2017年1月9日 6時) (
レス) id: 56b4a7f52f (このIDを非表示/違反報告)
繭姫(プロフ) - 設定の養父の平仮名の名前のとこ、(あきひろ)だと思いますよ。横から失礼しました。 (2017年1月8日 15時) (レス) id: 2b2cd99b08 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 鏡燐さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ございません。間違いを指摘していただきありがとうございます。これからも間違いや脱字等などございましたら、ご指摘お願いします (2016年7月19日 15時) (レス) id: 99972413c8 (このIDを非表示/違反報告)
鏡燐(プロフ) - あの、４ページの薬研の時間２０分ですよ３０分ですと、厚か、平野になりますよ！更新頑張って下さい (2016年7月10日 6時) (レス) id: d132965d79 (このIDを非表示/違反報告)
新選組(プロフ) - 風月 羽鶴さん» 二日目、ですと？！ (2016年4月11日 23時) (レス) id: 56b4a7f52f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：新選組 | 作成日時：2015年9月20日 17時
