宇宙飛行士と警察官【百田解斗】 (ページ4)

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section3『まさかの』ページ4

いつも道理、自動車で巡回していると、無線が入った。
警『××付近で立て籠もり。人質は二人の模様。応援願うどうそ。』
貴「了解。現場へ向かいます。芹沢。」
芹「了解っす！」

サイレンを鳴らし、現場へ向かう。

貴「警部の百田です。事情をうかがっても？」
近くで見物していたお婆さんに声かけた。
婆「えっとねぇ、身長がそこのお兄さんより大きい男がねぇ、緑の髪の毛の子と、髭の生えた子が縄で縛られて、刃物を突き付けられていてねぇ、反抗できずに中に入っていったよ。」

頭で嫌な予感が駆け巡る。

貴「その緑の髪の毛の子と、髭の生えた子の見た目ってわかりますか？」

婆「確かねぇ、緑の髪の毛の子はねぇ耳に沢山アクセサリー付けてたねぇ。髭の子は、歌舞伎の服の上に、カッターシャツと学生服を着ていたねぇ。」

まさか…

蘭太と解斗か？

貴「総監、私が中に入って説得してもよろしいですか？」
総「き、君は…！こんなことで頼ってしまって申し訳ないな…」

上層部は、私が軍人だったことを知っている。
だからか、たまにこういう突破を頼まれることがある。

貴「では、行ってきます。」
総監に一礼をし、KEEPOUTのテープを超え、家屋に入った。

貴「警察です。刃物を捨て、話を聞かせてください。」
男「うるせぇ！それ以上近づくとこいつらを殺すぞ！」

百/天「「Aッ！」」
やはり、嫌な予感が的中した。

貴「…ッ。落ち着いてください。貴方が大人しくすれば何もしません。」
男「あ？お前…よく見れば女か？」
顎を掬われ、持ち上げられる。
男「ヒヒッ。中々いい顔してんじゃねぇか。どうだ？俺の女になれば、こいつらを放してやるぜ？」
貴「そうですね。だけど…」
隙をついて、拳銃を相手の横腹に押し当てる。

貴「悪いけど、貴方が捕まえた二人。私の幼馴染と旦那だから。手をどけないなら打つぞ。」
男「ひぃ！」

腰を抜かしたように、男は崩れ落ちた。
貴「総監、立てこもり犯無事説得。逮捕願います。」
総『了解。助かったぞ。今から人を向かわせる。』
貴「了解。あと芹沢、先帰っていてくれ。」
芹『了解っす！』

無事、男は署に連行され、私は二人の縄をほどいた。

貴「はい。解けた。」
天「ありがとうっす。」
百「よっしゃ！ありがとな！」

貴「…ッ…心配かけさせるな…莫迦……」
口から本音が滑り落ち、涙があふれた。
止まることなく、
ただ、涙は流れ続けた。