第二百八十七夜 チャンス ページ8
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〜カオンside〜
『……チャンス?』
『そう。この組織から抜け出すチャンス』
『!?』
驚きの発言に、私は目を丸くした。
お姉ちゃんは私の肩を掴み、力強い目で私を見た。
『カオン言ってたじゃん!この組織から抜け出したいって!』
『い、言ったけど……』
『なら今がその時なの!!』
ぐわんっと肩を大きく振られ、私はよろめく。
『私は、お姉ちゃんのくせに出来損ないで、役立たず。だけど、貴方は違う。
…━━貴方は、生きるべき人間なの!!』
『でも、ユユはこの組織全員殺そうとしてる!私たちも殺されちゃうよ!』
私がそう言うと、お姉ちゃんは悲しそうな顔をした。
そして、覚悟を決めた顔をし私に向かって満面の笑みを浮かべた。
『!?』
今の状況に似合わない笑顔に、私は目を丸くする。
そして、ニコニコと笑いながらお姉ちゃんは私の手を取る。
そして、秘密裏に作られていた隠し通路に私とお姉ちゃんの持っていた杖を押し込むと、ガチャリと鍵をかけた。
急なことに、私はドンドンッと扉を叩く。
ガチャガチャとドアノブをいじる。
『!?お姉ちゃん!?開けてよ!』
ドンッ ドンッ
ガチャ ガチャ
叩いても叩いても扉は壊れない。
鍵も魔法では解けない特殊な鍵なので、魔法では開けることができない。
『…………
ねぇ、カオン。お姉ちゃんの話、聞いてくれる?』
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ロータス蓮(プロフ) - 突然失礼します。作者様は私を悶えさせながら泣かせる天才か何かですか…?好きです (2021年6月30日 14時) (レス) id: f03dadf55f (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» いえ!こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます! (2016年3月13日 8時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» 全然大丈夫です!素敵なイラストありがとうございます! (2016年3月13日 7時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» 構いませんよ!描くと言ってから日数があまりにも空いてしまい本当に申し訳ありませんでした!(;>人<;) (2016年3月13日 0時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» ありがとうございます!絵を載せてもよろしいでしょうか……? (2016年3月12日 18時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
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