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第二百八十六夜 お姉ちゃん ページ7

〜カオンside〜



「………ねぇ、ユユ。私の話、聞いてくれる?」
「……」

私の言葉に、ユユはゆっくりと頷いた。
私はそれを見て、素直なユユが新鮮だったから少し笑った。


「ありがと。じゃあ、全て話すよ。私とお姉ちゃんの話と、ここに来た理由とか……全て」




私はユユにそう告げ、話し始めた。

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━━━━


私には、双子のお姉ちゃんがいたの。
組織の中では私とお父様しか知らない……だから、ユユも知らなかったのかもね。


瓜二つの一卵性。
でも、似てるのは外見だけで、中身は全然違った。

自分で言うのもなんだけど、私は頭が良く、魔法の天才と呼ばれた。






……でも、お姉ちゃんは"何もできなかった"。
魔法も、勉強も何もかも。

だからお父様はお姉ちゃんを私の影武者に任命した。
片時も離れることなく、だけど、誰にもバレないように。








『お姉ちゃんは、嫌じゃないの?』


ある日私は、お姉ちゃんに尋ねた。


お姉ちゃん自身じゃなくて"カオン"として生きて、辛くないの?
お姉ちゃんは、お姉ちゃんなのに……


『嫌じゃないよ。だってカオンは私で、私はカオンなんだから。それに、無力な私は、こうすることでしかカオンを守れないでしょ?』

お姉ちゃんはそう言い、悲しそうに笑った。



違う。無力なのは私。

お父様の言う通りにして、お父様の敷いたレールに従って……









……━━━私は、何も出来ない。


***


『カオン、逃げて!』
『嫌だ!お姉ちゃんを置いていけない!!』


これは、ユユさんがお父様を殺したとき。
お姉ちゃんを部屋に呼びに行った時にそう言われた。


『言うことを聞いて、カオン!』
『嫌だ!お姉ちゃんを置いてけないよ!』

お姉ちゃんの言葉に、私は必死に抵抗する。

お姉ちゃんを置いて、私一人行けない。
そんなこと出来ないよ…!






『カオン、言うことを聞いて。これは……








……━━━チャンスよ』

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ロータス蓮(プロフ) - 突然失礼します。作者様は私を悶えさせながら泣かせる天才か何かですか…?好きです (2021年6月30日 14時) (レス) id: f03dadf55f (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» いえ!こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます! (2016年3月13日 8時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» 全然大丈夫です!素敵なイラストありがとうございます! (2016年3月13日 7時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» 構いませんよ!描くと言ってから日数があまりにも空いてしまい本当に申し訳ありませんでした!(;>人<;) (2016年3月13日 0時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» ありがとうございます!絵を載せてもよろしいでしょうか……? (2016年3月12日 18時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:厨二乙 | 作者ホームページ:http://.  
作成日時:2016年2月1日 21時

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