第二百九十六夜 始動 ページ17
〜ユユside〜
真剣な目をして言うジャーファル様に、私はため息をつく。
そして、ジャーファル様の手を振り払う。
パンッと乾いた音が聞こえた。
「今やるべきことはこんな事をすることではなく、今日来る暗殺者への対策をすることのはずです」
「……そう、でしたね。すみません」
叩かれた手を触りながら、ジャーファル様は下を向く。
し
「でももし知りたいのなら…後悔しても知りませんからね。
……━━━━━"筆頭さん"」
「!?」
ジャーファル様の横を通る時に私はジャーファル様の耳元でそう囁いた。
ジャーファル様は目を見開き私を見るが、私はそれを気にせずに白い扉を開ける。
白い扉を開けると、そこには一人の女性が私を見つめ立っていた。
「準備はできましたか」
私がそう問うと、彼女は静かに頷いた。
「……任せましたよ。※※※※※様」
***
〜Noside〜
満点の星がシンドリアの上空に輝く。
そこに見える一つの黒い影。
特徴といえば、少し長めの杖を持っている…ということだけだろうか。
「カオンはユユのこと殺せなかったみたいだねぇ」
近くにある木の枝に登り、幹に手をつきながらゼインはそう言った。
「アイツのせいで、俺は……っ」
唇を噛み締めながら木の幹をダンッと力強く叩く。
ハラ…と数枚の葉っぱが落ちた。
「シンドバッドを殺してから、ユユをなぶり殺す……考えるだけでもぞくぞくしてくるなぁ」
ヒヒッ…と気味の悪い笑いをしながらゼインは王宮を見上げる。
「……さて、と」
ふわっとゼインは木から降りる。
足音はなく、森には静かな静寂が続く。
「_______行くか」
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ロータス蓮(プロフ) - 突然失礼します。作者様は私を悶えさせながら泣かせる天才か何かですか…?好きです (2021年6月30日 14時) (レス) id: f03dadf55f (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» いえ!こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます! (2016年3月13日 8時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» 全然大丈夫です!素敵なイラストありがとうございます! (2016年3月13日 7時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» 構いませんよ!描くと言ってから日数があまりにも空いてしまい本当に申し訳ありませんでした!(;>人<;) (2016年3月13日 0時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» ありがとうございます!絵を載せてもよろしいでしょうか……? (2016年3月12日 18時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
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