第二百九十夜 謎の人 ページ11
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〜カオンside〜
ダンッ
「いっ…」
肩に強い衝撃が走り、私は、貴方思わず尻餅をつく。
一緒に歩いてた同僚の女の子が私を心配して駆け寄ってくる。
ぶつかられた相手を見ると、緑色のクーフィーヤに銀色の髪。
一見ジャーファルさんかと疑ったが、身長が少し低いような気がする。
ぼーっとその姿を見ていると、同僚の女の子に手を貸され、立たされた。
「チッ…何よあの女。ぶつかったのに謝りもせずに…っ」
「?誰、あの人」
「罪人よ」
「……罪人?」
「半年前、サーラさんっていう人を殺したの。それからアイツはシンドリア中の嫌われ者よ」
「へぇー…名前は?」
「……"ユユ"よ。あんまり近づかない方がいいよ。あの人、態度悪いから」
「…え、あ、うん……」
同僚の言葉に頷き、私たちは足を進める。
ユユという言葉を聞いて驚いたが、頭は馬鹿みたいに冷静だった。
その後、同僚から詳しく話を聞くと、黄双塔ってところに住んでて、この国の政務官をしてるみたい。
暗殺者だったけど、シンドバッド王に助けられたらしい。
ユユさん、生きてたんだ……
***
それから一年。
私は、上司のレイラ様や黄香さんとも仲を深め、かなりいい人生を歩んでいた。
私は、ユユとは極力距離をもった。
カオンはユユの中ではもう殺された存在……
殺したはずの人間が生きていたら、きっとユユさんは混乱するだろう。
それに私元暗殺者だから、私の過去がバレたら私はもう、ここに居られないかもしれない。
幸せだったけど、そんな思いを胸に抱きながら私は、
この一年を過ごした。
・
『はー!久しぶりのバザールだ…』
レイラ様から休日をもらい、私は久しぶりに下に下りてきていた。
相変わらず活気が溢れていて、楽しそう。
『パパゴレッヤのジュースも久しぶ……
……━━━んんっ!?』
久しぶりのことに楽しみながら商品を見ていると、いきなり口を塞がれ、路地裏に引っ張られた。
薄暗い路地裏には人気がなく、水を打ったような静けさだ。
『っ……離して!!』
相手の足を蹴り、拘 束が緩んだ時に私は相手の腕から逃れる。
相手は黒いローブとフードを被り、にやにやとした笑みを浮かべながら私を見つめる。
『久しぶりだなぁ……
…━━━━"カオン"?』
『!?』
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ロータス蓮(プロフ) - 突然失礼します。作者様は私を悶えさせながら泣かせる天才か何かですか…?好きです (2021年6月30日 14時) (レス) id: f03dadf55f (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» いえ!こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます! (2016年3月13日 8時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» 全然大丈夫です!素敵なイラストありがとうございます! (2016年3月13日 7時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
花舞花音(プロフ) - 厨二乙さん» 構いませんよ!描くと言ってから日数があまりにも空いてしまい本当に申し訳ありませんでした!(;>人<;) (2016年3月13日 0時) (レス) id: da6eceae08 (このIDを非表示/違反報告)
厨二乙(プロフ) - 花舞花音さん» ありがとうございます!絵を載せてもよろしいでしょうか……? (2016年3月12日 18時) (レス) id: a105ecbf82 (このIDを非表示/違反報告)
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