火炎少女は平行世界で世界を目指す【オリオンの刻印】

平行三十四 ページ36

『…？』



フィールドを見て可笑しいと感じる。何故なら鬼道さん、灰崎、稲森、ヒロトが目くらましをされたかのような動き…。



『(まさか…こんなに汚ぇ手を使うのか…？)』



許さねぇと思った…。すると…



｢『オーバーヘッドペンギン』！｣

｢｢っ!?!?｣｣

｢ぱくった！｣←



鬼道さんが新技を打つ。だけど皆ぱくったとか言うからあれは灰崎の技かもな。



『もしかして、あれって灰崎の技ですか？』

｢うん、そうだよ｣



なるほど…道理で灰崎が怒ってるんだな。そんな呑気なことを考えていると…

ピィー！

前半終了のホイッスルがなる。そして鬼道さん達は戻ってくる。



『(これが一星の所属してる組織か…)』



そう思いながら俺は一星を見る。



『(昏い…)』



彼の顔はすげぇ昏くなってた。すると…



｢監督！一星を代表から外して下さい！｣

『あ…鬼道さん…』



鬼道さん…もう気づいているんだ…。



｢ふーむ…それは無理な話ですね｣

｢何故ですか！｣

｢一星君は国家友好親善大使なのです｣

｢国家友好親善大使…？｣

｢えぇ！海外経験2年以上の選手を親善大使として一定時間試合に出すんです！しかし、第一試合で一星君を出してなかったせいで、注意をされたのです。

ここで私が一星君を引かせると私の監督としても生命が絶たれるのです｣



そして監督は立ち上がり…



｢私に出来ることは何も無い。“私には”…ね？｣



そう言って、監督は席を外す。そして、風丸さんが鬼道さんの所へ行く。



｢監督は一星を外せないって言った。それなら…｣

｢どうするんだ？鬼道｣

｢それなら俺は…一星を排除する｣

『(っ…排除…)』



そんなの…鬼道さんぽくない…。でも俺には口出す権利がない。

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