プロデューサーがなんか最近可愛い【あんスタ】 (ページ20)

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現実に引き戻すの得意です☆ ページ20

ぎゅうぎゅうでおしくらまんじゅう状態な電車内。

私は吊革に掴み損なって、あっちへこっちへと流されないようにするのが精一杯だ。

すると、私の腕を誰かが掴んで引き寄せた。

あ、やべ。絶対誰かの足踏んだ。

なんて呑気に考えていると、頭の後ろの方でドンって音がする。

それと同時に、さっきまで押されまくってた感覚が不思議なほどになくなる。

今の私の目に映るのは、

灰色のちょっとはねた髪の毛と、

シルバーのピアス。

「…ったく。困ったら俺様に言えばいーだろうが。」

低音で、優しい言い方。

それを私だけに囁いていると思うと、心がきゅーっと締め付けられる。

いつも荒々しい晃牙先輩の、たまに見せるこの優しさが私にどれだけ中毒性があるのか、この人は知っているのか…。

晃牙先輩の顔を見ようとしたけど、それはやめておいた。

だって、

シルバーのピアスがついている耳が、真っ赤に染まっているのが見えたのだから。

私はただ、満員電車って思えてしまったらそこまでなのだけど、

本当に何もかもから守ってくれるような、そう思わせてくれる先輩の背中に、そっと手をまわすことしかできなかった。