いや、私女子なんだけど。［２］ (ページ17)

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６４話ページ17

「わっ、驚いた…紅士さんじゃないですか…どうし…柏木の応援ですか？」
紅士「そう、でもアイツ、俺のこと呼ばなかったんだよね」

だから黙って来たんだ、と笑う紅士さんの顔が怖い。
美形なだけあって裏がありそうだ。

あ、Aちゃ～ん！と後ろで手を振るのは、爽やか王子の相田さん。
その後ろでは可愛い系の人が声をかけられていた。大河さんだ。

「お久しぶりです、先日はどうも」
相田「久しぶり。Aちゃんはなんか競技出たの？」
「あ、まぁはぁ…一応は……」
青柳「でも後一つ残ってるよな」
「あ、ちょっ、青柳くん！」

なんで言っちゃうの！？見られたくなかったのに！！

私の残る、最後の競技とは、何を隠そう借り物競走。
馬鹿じゃねぇの馬鹿じゃねぇの馬鹿じゃねぇの。

一番盛り上がるからってのはわかるけど、一番最後の〆ってのはあんまりじゃないか。私のライフが死ぬ。

《次が、最後の競技です》

NOOOOOO！！！！

借り物競走に出場する生徒は、集合場所に集合してください、と無機質なアナウンス。

さっきまで私の座っていた席には大門が座っている。
アナウンスの仕事？ほとんどしてないよ。だってそんなの東に頼めば良いじゃん。イケボだから。

「…ってことで、行ってきます…」
紅士「頑張ってね、応援してる」
相田「きっとAちゃんなら大丈夫だよ」
山坂「ファイトー！」
「うぅぅ…イケメンに応援されると辛い…」

これで負けたらもう私立ち直れないからね。

そして、私は最後尾に並ぶ。
女子だから、とレースは大トリをすることになってしまったのだ。爆ぜろ。

「……よ、よろしくね、城間くん…」
城間「お、B組の最後はAかー。程々によろしくな！」
「それはこっちの台詞なんだけど…」
柏木「ちょっとー？俺のことも忘れないでよ」

あ、いたの、と言えば、俺結構目立つ身長なんだけどなー、とニコニコする柏木。
存在がうざかったら私はAフィルターが掛かって見えなくなるからさ、ごめんね？

ところで、D組はまだなんだろうか。誰なんだろうか。

このレースで勝てば、決勝戦に出られる。

1年対2年対3年のレースだ。勝つし。

神手「ごめん最後俺ー」
「お前かよまじか」

私勝っておじさんに文句言ってやるんだから、私に勝たせなさいよ。

あれ女装してたやつらじゃね？とか聞こえてくる。
そうなのである、こいつらさっきまで女装してましたよ、嘲笑してどうぞ。