スプーンいっぱいの勇気。【Ra*bits】【UNDEAD】その2 (ページ24)

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衣装合わせページ24

今日の放課後はリハを兼ねるので衣装合わせを先に済ますことになっていた。

お腹の音が鳴る。
有意義なお昼を過ごしたせいで昼食の事をすっかり忘れてしまっていたのだった。

でも女子として恥ずかしい…何か胃に入れておけば良かったかも。

「A、腹が減っているのか？昼は食べたか？」

「うおっ、アドニスくんデリカシーが足りないよ～？」

「そうなのか？それはすまなかった。」

聞かれてしまっていたようで声を掛けられる。突然の事に驚きつつ羞恥心で赤くなっていないか心配だ。

「あはは、お恥ずかしい限りです。自業自得ですから、お気になさらず。実はお昼に用事が突然できて昼食をとるのを忘れてました…」

「そうだったんだね。お疲れ様♪」

笑顔で労ってくれる羽風先輩。頭に手が伸びてきた時、

「おいコラ、テメ～らもとっとと着替えやがれ！」

更衣室から戻ってきた朔間先輩と晃牙が入ってきた。呆れたような顔の羽風先輩。

「ほんとタイミングいいって言うかさ～野生の勘？」

「はぁ？意味わかんね～よ」

突っかかる晃牙に何故か笑って立ち去ろうとするが、はたと思い出した様に立ち止まる。

「ねぇ、Aちゃん。」

「なんでしょうか？」

「俺達の衣装もあーゆー仕様になってるのかな？」

既に着替えた二人の方を見ながら頬を少し引き攣らせて。

「揃えた方がいいかと思いまして」

「嬢ちゃんは中々大物じゃのう…」

朔間先輩がため息混じりに肩をすくめると帽子についた熊のような耳が揺れるのだった。