【黒バス】水色の憧れ (ページ3)

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3話ページ3

「うーん…。」

放課後の学校をAは1人で歩いていた。

昼休み、リコたちと別れたあと、いつも通り5,6限目の授業を受け部活へ行こうとしていた時だった。

陸上部のキャプテンから連絡がきた。

内容は監督が腰を痛めてしまい、部活に来れなくなってしまったため本日の部活は休止する、ということだった。

自主練する、という手もあったが、一気に興ざめしてしまったAは自主練をする気もなく、放課後の学校を歩き回っていたのだ。

(急とはいえ久々のオフでもある。リコを誘って寄り道するという手もあったがリコが部活だな…。)

あてもなくフラフラと歩いていたAの目の前に図書館という文字が現れた。

(そうだ。読みたい本があったな。少し寄ってみるか。)

スーッと静かな音を立てながら、図書館の扉を開ける。

中からはさながら図書館、といった静かで過ごしやすい空気があった。

Aは適当に棚へと近づいた。

(この棚に気になっていた本はないし、辺りの棚にも無さそうだな…)

Aは図書館を利用しないわけではない。

しかし、今まで利用した時に読む本は陸上関連の参考書となるものである。

今回は陸上とはかけ離れた小説を読みたくて来たため、普段と勝手が違い戸惑っている。

次々と棚の間をゆっくり足音を立てないように歩き回った。

「あの。」