嫌いになりたいと思う恋【黄瀬涼太】

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嘘つくなと言われれば
嘘じゃないって否定はできる。




でも...




強がってるんだろと言われたら
きっと...私は強がってる。









隣に涼太がいてくれるだけで幸せ。





そんなの...強がってるに決まってる。









本当は寂しいし
もっともっと話したいし



もっともっともっと一緒にいたい。









でもそんなの贅沢すぎだ。




だから...絶対口にはしない。









黄「行ってらっしゃい！
今日は夜中まで撮影あるから事務所に泊まるっス」





ちょっとだけ寂しさで胸が痛くなる。




貴「頑張ってね！じゃあ行ってきます」









黄「Aっち！！！」


貴「え...？」



黄「愛してるっス」









私の寂しさを察したのか...
涼太は私の方を見てそう言った。









うん。




私は幸せだ。





大丈夫。
ちゃんと愛されてる...









そう言い聞かせながらアパートを出て
大学に向かう。









大学に向かう途中のポスターに
毎日...嫌でも目に入る。








涼太と人気モデルのキレイな人が
顔をくっつけて微笑み合ってるポスター。







" お似合い "





その言葉しか浮かんでこないくらい...
本当...絵になる２人。






本物のカップルみたい。









「お前ポスターに妬いてんのかよ(笑)」








なっ...この声は...








貴「うっさい大輝」







小さいときから腐れ縁の幼なじみ。

" 青峰大輝 "





ムカつくけど...
正直私の一番の理解者でもある。





どこまでも腐れ縁で...
一度は高校で別々になったのに
また大学で一緒になった。





でも人見知りの私にとっては
涼太もいない今の環境に
大輝がいてくれるのは私の救いだった。







青「つか、お前らうまくいってんのかよ？」




貴「ん〜...まぁ。」




青「うまくいってねーのか(笑)」




貴「ムカッ。だって涼太忙しいし...」




青「まぁな。
見たくねぇけど毎日テレビで顔見るしな」




貴「人気者だからね」




青「まーそれ覚悟で付き合ってんだろ」







分かってるよ。
それはちゃんと覚悟してる。




だからこそ...
このモヤモヤをどこにぶつけていいのか分からない。







青「今日飯でも食い行くか？
仕方ねーから奢ってやる」




貴「うん」






こうゆうとこ...


ムカつくけど...私を分かってくれてる。

私が一人にならないように
大輝なりの優しさだ。

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