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「 今日、で私の先生を...辞めてくださいっ... 」
躊躇って躊躇って、ようやく口から出た言葉。怖くて、今はあなたの綺麗な顔を見れなかった。ぎゅ、っと、瞳を閉じて俯く。
自分は勝手にこんなことを言っておいて、彼からの返答を聞くのが怖いんだ。
だけど先生、私はあなたとこの関係のまま終わるのは嫌なんだ。先生と生徒、って関係じゃもう満足出来なくなっちゃって、こんな我儘が口から漏れた。
先生が私をそういう対象で見ていないなら、私も諦めてちゃんとあなたを先生として見るから...。
__だからお願い、これだけは言わせてください。
「 夏目先生、好きです...あなたが、好きです... 」
だから...と紡いだ言葉は私の唇からは出ずに封じ込まれた。唇には先生の人差し指が置かれていて、妖しく細められた瞳に目を奪われる。
「 いけない子...先生にそんな感情抱いちゃうなんてネ。...調子狂っちゃうナァ... 」
「 わっ...!! 」
手を引かれれば彼の腕の中に閉じ込められていて、体に熱が集まり始める。
ふ、っと先生の熱い吐息が耳に微かにかかり擽ったくてぴくりと肩が揺れる。くすりと彼は意地悪げに笑って、私の頬に手を添えた。
「 Aちゃん、今ボクは君の先生を辞めることは出来ない 」
「 え... 」
「 君が好きだよ、だけどね君のお母さんに大学受験まで、君をよろしく、と言われたんダ。約束したんだ、君の大学受験を必ず成功させる、ってね 」
「 だから、今は出来ない。でも、あと数ヶ月したら__ 」
__今度はボクから、君に伝えるよ。
それまではまだ、私とあなたは先生と生徒だ。
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作者名:る あ | 作成日時:2017年9月14日 17時