45，豪語 ページ46
フィールドでは不動が相手を避けながらボールをキープしていたのに対し、サルが笑みを浮かべながら手を交差すると彼は名前だけに一瞬直立不動となってボールを取られた。この様子に鬼道はゴーグルの中で目を見開く
「鬼道さん、敵選手の手の動き…」
「ただの威嚇動作かと思っていたが、あれには何かありそうだな」
稲森と頷き合っていると、一星は「でも悪魔の動きだったりしたら為すすべ無しですよね」と零した。これに反応した鬼道は大きく食いかかる
「悪魔の力など存在しない!」
彼の脳裏には、かつて″神の力″と称して影山零治の手によって作られた″神のアクア″が過ぎってた。結局人智を越えた物など存在せず、それに縋るは哀れと彼は理解していた。それどころか″ドーピング″として世間から冷たい目で見られた結果にも。人を惑わすためだけの迷信など信じない。一星の言葉は彼を煽るだけだった
そんな姿を見ていた夏未は基山から趙金雲に向き直ると、赤い目を少し焦ったように動かしながら口を開いた
「監督、鬼道くんたちに目を閉じるように伝えてください」
「ん〜？目を閉じるのですか？」
右手で動作を付けながら聞き返す彼と頭の被り物を回しながら両手をあげて驚く子文の姿を筆頭に選手らにも動揺が走った。しかし彼女はこれにたじろぐことはなく、後ろで「そんなことをしたらプレーできませんよ！」と眉を顰めた大谷にも落ち着いた様子で瞳を閉じながら笑った
「できます、彼らなら」
そしてこう豪語した。何事にも動じないその姿勢を評価した趙金雲は、眉を触覚のように動かしながら深みのある笑顔で「良いでしょう」と久遠に指示を送るよう促した
「目を閉じて、チュー？」
「顔文字を読むな」
イレブンバンドに送られた指示を読み上げる鬼道に灰崎の鋭い突っ込みが入る。彼は一瞬間をおいてベンチに振り返ると夏未の姿を見つけて懐かしそうに笑みを浮かべた。それと同時に彼の頭に1つの策が浮かんだ
「そうか、そういうことか…！」
彼女から視線を戻すと前方では稲森とアスの攻防が続いている。丁度ボールがラインの外に出るのを伺って皆を集めると聞いてくれ、と先程生まれた策を話す
「敵が妙な手の動きを見せたらすぐに目を閉じるんだ。目を閉じて耳と気配だけで動くんだ」
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悪魔の力＝神の力＝神のアクア＝ドーピングっていう複線だったのか…？
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聖羅(プロフ) - おぉ、非リア同盟はキーワードなんですね！注目して読まなければ…笑 (2019年2月18日 17時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)*(プロフ) - 聖羅さん» わざわざパート1の方にコメント頂きありがとうございます！センスなどと大層なお言葉、胸がいっぱいになりそうです！非リア同盟は、わりと本編に関わってくるので是非とも注目して頂きたい。これからもどうかよろしくお願いします！ (2019年2月18日 15時) (レス) id: 333bfe8339 (このIDを非表示/違反報告)
聖羅(プロフ) - シリアスな雰囲気の中にこっそりネタを入れてくるあたりセンスが凄いですね！非リア同盟のくだりは笑いました笑 これからも頑張ってください！ (2019年2月16日 20時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)(プロフ) - ぴぽさん» ありがとうございます！可愛いと言っていただけて嬉しいです！日々精進致しますので、これからもよろしくお願いします (2018年11月29日 7時) (レス) id: efb7d8eaad (このIDを非表示/違反報告)
ぴぽ - イラスト可愛いです！なんかさらに上手くなってませんか!?これからも頑張って下さい！ (2018年11月27日 0時) (レス) id: 8ec037955c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：良子(ラッコ)* x他1人 | 作成日時：2018年10月20日 16時
