【NARUTO×結界師】守りたい命の分だけ強くなってやるさ。【映画編 - 3】 (ページ29)

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第31話ページ29

カカシ「本当なら、俺の命と引き換えにすべて片付いてたはずなんだがなぁ......」

そうぼやきながら天を仰ぐカカシの背中は、

この状況に似合わず

やけに落ち着いているようだ。

ナルト「文句なら聞かねぇぜ。俺とAは、カカシ先生に教わったことを守っただけだかんな」

A「伊達に今日までカカシの部下やってねぇよ」

我々のその一言を受けて、

どこかうれしそうに目を細めたカカシは、

そっとこちらを振り返った。

そして、

瓦礫の山の頂上に佇むヒルコを再び見上げて、

行くぞ、と言葉を紡ぐ。

A・ナルト「あぁ！」

ようやく彼も、

私たちを仲間だと認識して

頼ってくれるようになったか。

カカシのあとに続いて、

私とナルトも地面を蹴って

ヒルコの元へ。

しかし、

あちらもあちらで

そう簡単に接近させてくれるわけもなく、

腕に巻いていた包帯を自由自在に操って、

攻撃を仕掛けてきた。

ヒルコ「諦めろカカシ！私に取り込まれるのだ！」

そう言って、

ヒルコは見たこともない印を結び始めた。

また誰かの血継限界か。

ヒルコ「嵐遁奥義・嵐鬼龍(らんとんおうぎ・らんきりゅう)！」

さすがに血継限界すべての知識は持ち合わせていないので、

どれだけの範囲にどんな効果をもたらすのかが、

瞬時に判断することができない。

多重結界を張って、

一時的に身を守りながら

ナルトとカカシの居場所を間眼で確認する。

ボフン。

鋼夜「どう戦う」

A「......あいつは、5つの血継限界を取り込んだら完全体になれると言っていた。だが現に5人目のカカシは生きている」

二人は、

瓦礫の裏に隠れているようだ。

A「となれば、あいつのどこかに弱点があるはず」

鋼夜「要するに、“取り込むべきところが空っぽ”の状態なんだな」

A「......」

取り込むべきところが、空っぽ――。