【NARUTO×結界師】守りたい命の分だけ強くなってやるさ。【映画編 - 3】 (ページ27)

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第29話ページ27

カカシ「......やれやれ。俺が生きてるってことは作戦は失敗だな」

ナルト「ヘヘッ」

ヒルコ「フッフフフ......」

まだ生きていたか。

確かに、

ヒルコがあれだけの刺激で死ぬとは

端から思っていないが。

なんせ、

血継限界を持つ人間を自身の身体に取り込み、

それを自由自在に操る忍なのだ。

そう簡単にくたばるとは思えない。

ヒルコ「礼を言うよ、お前たち......」

やがてヒルコは

ゆったりとした動作で上半身を起き上がらせ、

なおも言葉を続けた。

ヒルコ「このままなら私はカカシと共に、飛ばされるしかなかった......しかしカカシの教え子が、私を救ってくれたんだよ......」

ナルト「っ......」

A「カカシ、立てる？」

カカシ「あぁ、立てるよ」

のそのそと立ち上がったヒルコを見て、

カカシの状態を確認するが、

どこにも異常はないようだ。

まだ金環日食が終わっていないことから、

ヒルコは再びカカシを取り込もうと企んでいるらしい。

そしてヒルコは、

この大きな建物を一瞬で吹き飛ばすほどの力を

一気に解放させた。

ナルト「なんだ......！」

カカシ「逃げるぞ！ナルト、A！」

ナルト「おう！」

地割れも起き始め、

我々も彼の暴走に巻き込まれないように

急いで建物から出る。

すると、

外でずっと我々の帰還を待っていたシカマルやサクラ、

サイの姿が前方に見えた。

かと思いきや、

やはり我々も忍であろうが一人の人間。

私一人なら結界を張って身を守れたかもしれないが、

さすがにこの視界不良の中、

互いに距離のあるナルトと

カカシを囲えるほどの結界は張れないと判断して、

強烈な爆風に対応できないまま、

いとも簡単に吹き飛ばされてしまった。

そして私たちが

地面に叩き付けられたときには

すでに地形は完全に変わっており、

ヒルコもまだカカシの写輪眼に執着しているようで、

山積みになった瓦礫の上で

ぶつぶつと何かを呟いているのが見えた。

ナルト「っ......何ボサァッとしてやがる！カカシ先生を守ったぜ！火の意志を引き継ぐのは、俺だけじゃねぇ！木の葉の里の仲間たち全員だ！」