【NARUTO×結界師】守りたい命の分だけ強くなってやるさ。【映画編 - 3】 (ページ11)

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第13話ページ11

ナルト「A、A！」

夢と現実の狭間で

ぼんやりとナルトの声を聞き取った私は、

ハッと我に返って目を覚ました。

ナルト「やーっと起きたな」

視界には

私を覗き込むナルト、

なのか？

A「......なんだよ、その格好」

ナルト「暴れたらシカマルに気絶させられちまってよ。気付いたらこうなってたんだ」

毛布のような大きく丈夫な布で身体全体を巻かれ、

その上何本もの紐でガッチリと縛られているナルト。

ナルトのことだ、

拘束しなければどんな手を使ってでも逃亡すると、

里側は踏んだのだろう。

私は里から信頼はされているのか、

ナルトほど強力な拘束はされていなかった。

紐で手首と足首を縛られているだけだ。

ナルト「Aも起きたところで......」

器用なことに、

鉄格子の前まで

ピョンピョンと飛び跳ねて向かったナルトは、

地上にいる誰かに助けを求め始めた。

というより、訴えている......？

ナルト「出せよ！ここ開けろー！俺たちはカカシ先生を追いかけなきゃなんねぇんだ！Aのためにも、連れ戻さなきゃなんねぇんだよぉ！」

そうだ、

私たちは操られたカカシを追いかけようとして――。

腹筋を使って起き上がり、

額当ての金属部分で

鉄格子に何度も頭突きするナルトの後ろ姿を

じっと見つめる。

ナルト「くっそぉぉぉ！」

だが、

最後の一撃は思わず勢いを付け過ぎたのか、

ナルトはバタンと後ろにひっくり返った。

ナルト「クソ！誰か来てくれ！誰もいないのかよ！」

悔しそうに暴れるナルトの声に

ただじっと俯いていると、

ナルトの足元から

カランカランと甲高い音が聞こえてきた。

暴れた拍子に

何かが落ちたようだ。

なんだろうと目を向ければ、

ナルトがいつの日か

カカシから託された小物入れと、

その中身が転がっているのが分かる。

ナルト・A「......」

カカシ――。

A「会いたいよ......」