誘惑欲張りJEWELRY 『1』 (ページ11)

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女の子着飾りたいページ11

「じゃ、次はKiLLER KiNGかな。」

　金髪の爽やか少年。

　このグループは確か、他の3グループよりも後輩だった筈だ。

「俺は寺光遥日！こっちは双子の――」

「寺光唯月です。宜しくお願いします」

　遥日さんとは正反対、黒髪の大人しそうな子であるが言われてみればそっくりだ。

「俺は殿弥勒です。」

　キチッと礼儀正しい殿君は野目さんと同じ鍛えてます、と言う感じの体つきをしており、どう考えてもストイック系。

「最後、僕、不動明謙。よろしくね！」

　天真爛漫、そんな言葉がしっくりとくる雰囲気の持ち主だ。

　あざとく、可愛く、王道アイドルとして売り込むのが無難だろうか、それとも汗拭きシートやスプレー等、爽やかなイメージが多いCMを使っていくか迷ってしまうではないか。

　彼等ならばバラエティに出ても何等差し支えなくやってこなす筈。それを利用するのも有りだ。

私が彼等をマジマジと、見定めていくものだから皆して少し引いている。

だが、こうなると止められない止まらない。

「アイドルセンサー立ってんな。それくらいにしとけよ。」

　修二伯父さんの一言で我に返る。

「ああ、ごめん。」

「自分の世界に入るのも良いけど、周りもちゃんと見ようね。
　悪いね、この子新人アイドルや俳優、女優さんがどうやったら売れるか考えるのが好きでね。」

　篤志伯父さんのフォローにより、納得してもらえたようである。

因みに、私が目をつける子達は必ず売れる自信がある。

　伯父さん達からも、そう言った事に関しての見る目を高く評価されている位だ。

「そう言えばA&Rの紹介がまだだったね。
　彼女が担当A&Rの子だよ。」

　篤志伯父さんの目線先、其処にはさっきの可愛い女の子。

　ポニーテールがよく似合う。

「す、澄空つばさです。よろしくお願いします！」

　緊張して裏返る声、ほんのりピンクに染まる頬。

　何もかもが初々しくて、七海先輩を思い出す。

　髪をアップにしているからか年齢よりも多少幼く見える。髪降ろしたら、きっと大人っぽくなるだろうな。ドレスは白が似合う。

　今度着飾りたい。

　女の子を見ると見境なく着飾りたくなってしまうのは、私の悪い癖。