4. ページ5
そして頼んだ三色団子とお茶が目の前に置かれ、私は｢わあ、美味しそうですね！｣と言葉を漏らすが宇髄さんは未だに黙ったままだ。
A｢あの、そろそろ機嫌戻してくれませんか？｣
私がすぐに否定した事がそんなに嫌だったのか…。確かによく考えれば、宇髄さんは見るからにプライドが高そうだし、��嘘を言った��なんて事が知れたらプライドは傷付くだろう。
だけど嘘は良くないし…、と本日二度目の言葉を心の中で呟く。
A｢宇髄さん。はい、食べてください。世話係の私が先に食べる訳にはいかないので。｣
三色団子を宇髄さんに差し出せば、頬杖をついて無言で口を開けた。
…食べさせろと？
私は少し考えたが、これで機嫌が少しでも良くなってくれるなら…その期待を込めて三色団子を宇髄さんの口元へと運んだ。
パクッと食べて口をモグモグさせる宇髄さん。何だかまるで動物に餌付けしている気分だ。
天元｢…ここは変わらず美味いな。｣
やっと言葉を発してくれた宇髄さんにホッとし、私も自分の三色団子を口に頬張った。
A｢凄く美味しい…。宇髄さんはよくここへ来るんですか？｣
天元｢たまにな。派手に疲れた時は任務帰りでもよく寄る。｣
機嫌が良くなったのか、口角を少し上げながら話し出す宇髄さん。
この人、結構な気分屋？と色々考えていた為、話の内容は右から左へと流れていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
A｢ご馳走様でした。｣
結局あれからも話の内容は頭に入って来ず、勘定を済ませてくれた宇髄さんに私は頭を下げる。
A｢それと、宇髄さんのプライドを傷付けてしまって、すみませんでした。｣
そう付け加えると、宇髄さんは首を傾げる。まるで何の事だか分からないとでも言うように。
天元｢何の事だ？｣
案の定、そう問いかけて来た宇髄さん。
A｢…えっと、彼女かと聞かれた時私がすぐに否定してしまったので、宇髄さんのプライドを傷付けてしまったんじゃないのか、って。｣
そう説明すると、宇髄さんは暫く私を見つめた後、無言でここへ来る時と同じように私を担いだ。
だけど今回の担ぎ方は少し優しく感じて、私は宇髄さんを見る。担がれている為後頭しか見えないけれど、耳が少し赤くなっているような気がした。
天元｢プライドで機嫌損ねてた訳じゃねぇよ。…ほっんとお前は地味だな。｣
そう呟きながら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1889人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美穂(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2022年8月12日 17時) (
レス) @page10 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
愛の心(プロフ) - この作品好きですがこうしんされなくてかなしいです (2020年6月14日 22時) (レス) id: 71ca081a14 (このIDを非表示/違反報告)
愛の心 - いつも楽しみにしているんですが、なかなか更新が進まないので寂しいです 時間に合間があれば更新してくれませんか 身勝手ですかよろしくお願いします (2020年5月3日 23時) (レス) id: eaa1b78d3d (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - 初コメ失礼します！とっても面白くて最高です！これからも更新頑張ってください！応援しております！ (2020年1月19日 13時) (レス) id: dcdae6c8af (このIDを非表示/違反報告)
kisaki(プロフ) - すごく面白いです！！！一つ質問なんですが、ブラクロの作品は更新されますか？とても楽しみにしているのですが、、れぃち。さんの作品なのでこちらが口を出すのもアレなのですが、出来れば更新して頂けると嬉しいです！これからも頑張ってください！応援しています！ (2020年1月15日 0時) (レス) id: ddf9840a1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れぃち。 | 作成日時：2020年1月9日 3時
