能力の飴玉 ページ19
Aside
妖術かぁ。思い返すは平安時代の超有名陰陽師、安倍晴明だよね!
妖術ってかっこいいけど、ホラーっていうか幻想っていうか迷信じゃん。
でもそういえば私も錬金術は練習重ねてるけど全くできてくる気しないし。零さんと似た境遇なのかな。
「零さんは妖術が得意だったの?」
「錬金術と妖術はいわゆる反比例に値するのじゃよ。だから錬金術が得意な人は妖術が苦手で使っている人は見たことないのう」
じゃあ錬金術が苦手な人は妖術が使いこなせる可能性があるっていうことか。それは私にとっては凄く都合がいいじゃん!
「零さん!私に妖術教えて!」
身を乗り出して私は見つめる。零さんはポケットから飴を取り出して私の手のひらに乗せた。
「もちろん、できる限りAの力になろう」
私は嬉しさと興奮のあまり、零さんに抱きついた。
「わーい、零さんありがとー!ついでにいつも飴もありがと!」
「Aは孫みたいなものだからのう、ついつい甘えさせてしまうのが最近の悩みじゃ」
「いいじゃん!零さん大好きだよ!」
私も零さんにはついつい甘えたくなっちゃうんだよね。
零さんはSランク。派手なことはしないし結果を残していない零さんがなんでSランクなのかなとずっと思ってたけど、理由は妖術に凄く長けているからだろう。
まぁ零さんの能力、見たことないことはないんだけどね。
零さんは能力を使うと反動で我を失うらしい。実際初めて見たときは凄く怖くて背筋が凍った。能力はデストロイと云って意味どうり物体を壊してしまう。
能力の破壊力ももちろん凄かったけど、あの我を失った時の冷たい瞳、口調。まるで悪霊のようだった。まるで私が一年生の時の零さんのような………ね。
「最近、デストロイ使わないんだね」
落ち着いた口調でいうと零さんは肩をすくめた。
「ユニットにまで被害が及ぶ可能性がある。それに我輩がデストロイを使わなくとも勝てる試合がほとんどじゃ」
「そっか」
零さんの所属するユニット、UNDEADは今となってはだいぶ強い。デストロイがなくても負けることはそうないのだろう。
「零さん、明日また来るから。妖術教えてくれるの楽しみにしてるね」
「いつでもおいで、我が愛しい子よ。じゃが、起こす時は優しくするんだぞい」
「考えとく!」
別れの挨拶を交わして、私は軽音部室を後にした。
Gクラスに帰る途中零さんにもらった飴を口に含むと、いつもより甘く感じた。
今日はりんご味か。
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朝霧藍 - 気にしない方針で大丈夫です。ありがとうございました。 (2017年9月10日 18時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» いや、ありがとうございますですが、、、。似てても、もう気にしない方針でいいでしょうか?これも何かの縁です。朝霧藍さんも頑張ってください!わざわざありがとうございました! (2017年9月10日 12時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧藍 - 読ませていただきました。たしかに、似ている部分がありますね。でも、玲瓏さんの方が圧倒的に話の書き方が上手です。最初の一話読んだらその次も読みたくなってしまい、気づいたら全部読んでました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 朝霧藍様も少し読んでみていただけませんでしょうか。意見が欲しいです。最初の一話でいいので。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 見てきました。確かに似ているような点もありますがよくある設定なので仕方ないかと。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
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