梅がこぼれ、椿が落ち、牡丹は崩れ、雪柳は吹雪き、菊が舞い、命が散る。 (ページ43)

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●四十匹と四十本ページ43

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リョーコさんの事件から約半年後。

ここ最近平子からメールが来ることも無くなり、自分の心にポッカリと穴が開いたような感じがしていた。

((……平子さん……))

ﾋﾟﾛﾛﾛﾝ

突然自分の携帯から着信音が鳴り響く。驚いて画面を見ると、大学時代に親しくしていた人物からだった。

〈久しぶり！突然連絡入れちゃってごめん＜(_ _)＞実は大学の同期で同窓会をやろうって話になったんだけど……。来週の19時に21区の"わかめ"って居酒屋なんだけど、来れるなら返信頂戴！雅美〉

大学生時代、まだ人との付き合いが上手く行ってなかった頃唯一話しかけてきた女性だ。

ここ最近は何処で何をしていたかは知らないが、誘われたのは正直嬉しかった。

当時なら断っただろうが、今なら行こうと思う。

それもきっと平子に会ったからだろう。

携帯に〈行きます〉と簡単に返事をうち送信する。

((……21区……か…………会えるかな……))

そんな微かな可能性を考えながら、あんていくでの仕事を始めた。

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外は既に日が沈み涼しい風が吹いている。

指定された店に行くと、何年か前に見た顔が沢山あった。

奥に行くと、連絡して来た友人やその他の人物がこちらに気づいて手を振っている。

雅「久しぶり夜蝶！！今日は来てくれてありがとう！」

『…ううん、こちらこそ誘ってくれてありがとう(^-^)』

雅「……」

『………どうかした？(^^;)』

雅「……いや……なんか夜蝶、雰囲気変わったなーと思って」

『……そう、かな？』

雅「…はっ、もしかして……恋！！？？」

その雅美の大声で店が一瞬静まり返る。

雅「…あ、すみませーん……」

「ははは、雅美ー何してんだよー」

雅「ごめーん(^^;)いやね？夜蝶がさー凄く雰囲気変わったから、恋のパワーかな？って」

「恋！？あの百鬼が！？」

『あははは………(^^;)』

賑やかに会話をし、百鬼も差し出された酒を飲む。酔いが回ってくる。

雅「で？で？…実際はどうなのよ」

『…実際って？』

雅「もー！！とぼけちゃってー！！どんな人ー？夜蝶のハートを射止めたのは！」

「あー、俺も気になるなー」

「私もー。きっとイケメンなんだろーなー」

『えっと……』

倉「あれ？百鬼さん？」

『！！』

驚いて後ろを振り向くと、そこにはよく見知った顔があった。

『平子さん…？』

平「……！百鬼……さん」