梅がこぼれ、椿が落ち、牡丹は崩れ、雪柳は吹雪き、菊が舞い、命が散る。 (ページ13)

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●十一匹と十一本ページ13

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女「ﾋﾋｯ………ﾋｱﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊｯ！！！！！！」

女は奇声を上げながら赫子の攻撃を次々と平子に繰り出す。

平「……」

平子は無表情で攻撃を全て避ける。

女喰種は一旦間合いを取り、赫子に力を込め平子を突き刺そうとする。
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平「……」

だが平子は持っていたクインケで赫子を受け流すと、

女「……ｯ！！！」

平「―――ｯﾊ」

そのまま踏み込み、クインケを女喰種に突き刺す。

女の体から鮮血が飛び散る。

苦痛の声をあげ、後ずさった喰種の体を、平子が間髪入れずにクインケで斬りつけた。

女「ｷﾞﾔｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｯ！！！！！！」

女喰種は醜い断末魔をあげ、遂に息絶えた。
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一瞬にして路地裏が静まり返る。

『……』

平「…百鬼さん、お怪我はしていませんか？」

『え、ええ(^^;)』
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正直、かなり驚いていた。

顔は地味だし、無表情でパッとしない感じから、勝手に

平子丈は喰種捜査官としても地味で弱いのだろうと思っていた。(地味なのはあっているが)
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((………普通に………強い…))

身のこなしはそこらの喰種捜査官よりもよっぽど切れがある。

驚きすぎて、平子が自分の名前を呼んでいるのに気付かなかった。

平「……百鬼さん」

『…』

平「…百鬼さん」

『…え、はい！何でしょう…』

平「申し訳ありませんが、この後喰種を回収しなくてはならないので…」

『ああいえ！お構いなく！』

ちらっと息絶えた喰種を見ると、平子は何かに気づいたようで喰種の前に立った。

『？』

平「すみません、百鬼さんがいらっしゃるのに…その…」

初めは平子が何故口を濁しているのかわからなかったが、少し経って一般人の前で喰種を殺したことを言っているのだとわかった。

((……真面目な人…))

『気にしないでください、それがお仕事でしょ？…じゃあ、これで』

平「…はい、さようなら」
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20区に着き、家路を歩いていると、突如大きな音がした。

『…！？……何…！？』

急いで音の所に行くと、そこには夜なのに人だかりができていた。

鉄骨が落ちたようで、さらに人が巻き込まれたらしいと、周りの人間は言う。

『……』