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五十七 ページ10






ル「準備はよろしくて?」





賢治くんに触れて、夢浮橋を使って逃げ切ろう。

私は、肯定の返事を出した。





「っ、はい。賢治く_____

っ!」


ル「ひとりめ、捕まえた☆」





疾、過ぎる…っ!


名前を呼び終える前に、アンという人形は賢治くんを捕らえていた。
そして、あっという間にドアに引き込まれる。





ル「アン!偉いわ!でも、あと1人よ」


「っ…!【夢浮橋】!」





また、ものすごいスピードでこちらに向かってきた。

私は異能でどうにか逃げ回る。
そして、いろんな物に触れて、触れまくる。





「異能力【源氏物語】【蜻蛉】!」


ル「!」





私は、置いてあったぬいぐるみを拡大、硬化させ、アンの道を塞いだ。
その瞬間に、私は後ろに回って、尖らせたリボンでアンに斬りかかろうとした。


でも、そのリボンは空を切っただけ。

私は蛍で、後ろに回ったアンに、炎を放った。


すると、空中で体制が整ってなかったからか、炎がずれて、ルーシーの腕を掠った。





ル「っ、熱っ!…」


「あ…ごめ「貴方、元孤児なのですってね」…!」


ル「私も孤児院育ちなの。でも、貴方と私は全然違う。貴方は暖かい処で育った」


「……それでも、最後はある人にみんな殺された。

名前は、ホーガン」


ル「!」





ルーシーは驚いた顔をする。

知らなかったのだろう。





「貴方の苦しみは分からない。でも、私にも貴方とは別の苦しみがある。貴方みたいに人と自分を比べても、どうしても人は自分の方が酷かったっていう妄想をする。

だからと言って、貴方の苦しみを否定するつもりはないよ」


ル「…!」





私は、ルーシーの怪我を治してあげた。

その瞬間、腕に激痛が走る。
何とか表情を保って言った。






「一緒に、苦しみを分かち合って、その苦しみを忘れられるくらい、

楽しく過ごしたいと私は思うよ」


ル「っ…!でも私は、失敗を許されない。しくじったら、また独りよ」




「貴方が独りになってしまうのなら、私は捕まっても良い。その悲しみが私には分かるから。でも、理由はそれだけじゃない。

必ずみんなが来てくれるって信じてる。


そして貴方がもし、独りになっても、一緒にいるよ。

その時は仲良くしてくれるかな、ルーシー!」


ル「…っ!そっちのドアは…!」


「…」ニコ


ル「!」





私は、賢治くんがいる方のドアの中に入っていった。

本当は怖い。
でも、みんなが来ることを信じてるから。




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栗ようかん(プロフ) - 教えてくれてありがとうございます!直しておきました!すみません! (2016年11月2日 16時) (レス) id: 23c3ce90d4 (このIDを非表示/違反報告)
坂田葵(プロフ) - 梶原ではなくて梶井だお(^o^)/ (2016年10月31日 21時) (レス) id: 47bd2bc314 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 疑問に思ったのですが、梶原ではなく梶井では? (2016年10月31日 20時) (レス) id: dee2e58ef1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栗ようかん | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2016年9月24日 22時

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