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五十四 ~過去~ ページ7






「……よし」





私は今、ポートマフィアの建物のドアの前に立っている。
あのあと、芥川さんの疑いが消えかけた今日まで待った。

私は、自分一人の仕事をもらったりして、結構成長した。



ポートマフィアに来た時は、特に何も持ってなかったし、入ってからもあまり買ってない。
だから、荷物はリュック一つ分。

みんながくれたまだ綺麗な服を靡かせて、外に出ようとした。


すると、後ろから1番聞きたくなかった声。






芥「A、何処かへ行くのか?」


「っ…!芥川さん…!え、えっと…1日泊まりの仕事なので、荷物が少し多くて!」






芥川さんの声聞くと、此処から出たくなくなる。

そして私は嘘をついた。





芥「そうか………A、これをやる」


「リボン…?」


芥「…なんとなくだ」





少し照れ臭そうに言う芥川さん。


なんで今日そんなの…っ。






芥「僕も仕事だ。


____行ってくる」



「っ…行ってらっしゃいです」





これが、最後の会話。
ぐっと涙を堪えて、思いっきり笑顔で言った。

私は、その黒いリボンを、ポニーテールを結ぶゴムの上から、結んだ。


そして、出ようと思ったら、また次の声。





立「あっ!A姐さん!俺ら、仕事なんだ!んじゃ、行ってくるな!」


広「帰ったら、お茶を淹れてくれるとありがたい。美味しいからな」


銀「……行ってくる」





何で…っ?





紅「A、仕事かえ?私は鏡花とエリスと一緒に買い物じゃ。Aにも何か買ってきてやろうかの」


鏡「…帰ったら、お話、してね」


エ「私とも遊んで!A」





何で今なのっ…?

苦しいよ…っ。



立原くんはいつもの明るい笑顔。

他のみんなは、お茶を淹れてとか、買ってくるとか、お話とか遊ぼうとか。

最後の言葉も一緒なんて、銀はやっぱり芥川さんの妹だ。





中「Aじゃねェか」





再び別の声。

中也幹部だ。
この人の声も出来れば聞きたくなかった。





中「成長したな、手前ェも」


「っ、何で今…っ」





私はつい、声に出して言ってしまった。

でも中也幹部は、笑顔で「仕事だから、行ってくんな!」と、私の頭を乱暴に撫でて去っていった。


その乱暴さが、心を締め付けるんだ。




私は、一筋涙を流した。

そして、外へ踏み出し歩く。





さよなら、ポートマフィア。

勝手な私を許してくださいなんて言わない。



だから代わりに言う。





私を育ててくれて、ありがとう。




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栗ようかん(プロフ) - 教えてくれてありがとうございます!直しておきました!すみません! (2016年11月2日 16時) (レス) id: 23c3ce90d4 (このIDを非表示/違反報告)
坂田葵(プロフ) - 梶原ではなくて梶井だお(^o^)/ (2016年10月31日 21時) (レス) id: 47bd2bc314 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 疑問に思ったのですが、梶原ではなく梶井では? (2016年10月31日 20時) (レス) id: dee2e58ef1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栗ようかん | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2016年9月24日 22時

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