第八十斬 偽り。 ページ30
「はぁ……」
なんでこんなことになってしまったのだろう、とつぶやく。紅雲の柄を
撫でながら長い溜息を吐いた私は、瀞霊廷の中を歩いていた。
……砲丸は無事に瀞霊廷の内部へ私たちを叩き込んでくれた。といってもそれは
身体のみの話で、全員が全員バラバラになってしまった。2、3人ずつで塊になった人も
いたようだけれど、私は完全に一人である。私としては夜一さんとかと一緒に
いたかったのに……。
「困った、なぁ……」
またも溜息をついて、ゆっくりとあたりを見回してみる。瀞霊廷内は
驚くほど静かだ。……いや、恐らく私が落ちた場所が静かで、内部の方は
きっと騒がしいに違いない。侵入者がいることはすでに知られているだろうし、
何より空から落ちてきたのだ。多くの死神に見られたことだろう。
とはいえ、この静かさはなんなのだろうか。嵐の前の静けさ、というやつなのだろうか。
「貴様!そこで止まれ!」
「……おっと」
先ほどから感じていた殺気の持ち主が、ついに声をかけてきた。
そう、実のところ静かではなかった。背後から聞こえるザリ、ザリという
足音はずっと前から聞こえていたのだ。
「えっと、はい。なんでしょう」
いわれた通り立ち止まる。触らぬ神に祟りなし、下手に行動して騒ぎでも
起こされたらたまったものではない。
「貴様、何番隊に所属している?こんなところで何をしているんだ」
ここは五番隊の守護配置だぞ、と続ける。
「あー、えぇと。所属部隊、ですか……そうですね、何番隊に見えます?」
へらり、と笑って見せる。嗚呼、今の私すごく店長っぽい。
「ふざけるなよ。何番隊かと聞いている」
チャキ、と斬魄刀を構えてみせる眼前の死神さん。威嚇のつもりなのだろう。
あえて困ったように笑いながら、ゆっくりと距離をとる。荒っぽいことは
好きではないのだけれど、仕方がない。
「怖い怖い……短気は損気ですよ?で、私の所属部隊でしたっけ?」
「……五番隊、とかでしょうかね」
相手の冷静をかくためか、はたまた単に口に出しただけか。
質問にきちんと答えつつ……私は紅雲を構え走り出した。
ラッキーカラー
あずきいろ
今日の斬魄刀は?
風死
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yui - 頑張ってください! (2019年11月15日 22時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています! (2019年5月11日 23時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
雲風(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。完結ではありません。自分の中でのストーリー構成に狂いが生じてしまったので現在更新停止のような扱いにさせていただいております……設定が完結になってしまっているので直しておきますね。ご指摘ありがとうございました。 (2019年5月11日 22時) (レス) id: 73159258cc (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 終わりになってますがこれで完結なのでしょうか? (2019年5月6日 13時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
雲風(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/rahdbci4/ ←こちらの短編集にて、夢主ちゃんと店長の短編を一つ投稿致しました。店長のお誕生日についての前日譚です。ご興味がありましたら是非。 (2017年12月25日 19時) (レス) id: 73159258cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雲風 | 作者ホームページ:https://twitter.com/?lang=ja
作成日時:2015年3月28日 19時