第6話 ページ6
ついに来てしまった。
なんでだろう。さっきから心臓がバクバクしてる。
別に私が緊張するほどのことでもないのに。
そうだよ、パパッと渡して速攻で帰ったらいいんだから。さぁ、扉を…。
「さっきから何百面相してるんだい？」
「わっ、藍染副隊長！あ、えっと、平子隊長にこの書類を渡すようにって浮竹隊長に頼まれて、それでえっと…。」
「ハハッ、そんなに焦らなくてもいいよ。怒るってわけじゃないんだし。」
藍染副隊長。女子隊員達からは壮大な人気を誇るイケメンで、私もたまに話を聞く。たしかにかっこいいよね。
けど、たまに瞳の奥が真っ黒に見えることがある。
どう表現すれば良いのかわからないんだけど…。
だから、私は藍染副隊長が少し苦手。
「それ、渡しておこうか？あまり会いたくないだろう？」
「じゃあ…お願いしてもよろしいですか？
すみません…。」
「大丈夫だよ。ところで、君の斬魄刀の能力が面白いっていう話を聞いたことがあるんだけど、どういうものなんだい？」
にっこりと笑いかけて来た藍染副隊長。
その目は笑っていない気がした。
この人から早く離れたい。早く、早く。
「あっ、少し用事があるのでまた今度でもよろしいですか？」
早く、早く、早く。
「そうかい？残念だ、また今度聞かせてくれるかい？」
「っ、失礼します！」
しばらく走って、もう五番隊舎が見えなくなったあたりで止まった。だか、冷や汗が止まらない。
…あの人に感じるこの恐怖は一体何なのだろう。
「神原唯…。面白い子だ。」
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作者名：#ぱぺっと | 作成日時：2019年2月4日 22時
