検索窓
今日:42 hit、昨日:11 hit、合計:227,183 hit

8話 ページ10

ユウは僕の右手をじっと見てきた。
ずいぶんと今日はキレてるな…と思っていたら、突然ユウに両手で右手を握られた。

僕は驚いて、体が反射的にビクッとなった。

ランマ「ユウッ…?!どうしたの?」

神田「………」

問いてもユウは返事をしない。ただじっと、僕のことを真顔で見ていた。
ユウはこういう時、自分の口からじゃ恥ずかしいようなことを言いたいんだ。僕は自分の頭で考えた。

まず、神田って呼んだ理由。
いつも二人の時なら、ユウって名前呼びだけど、人前では神田と呼んでいた。ユウは心を開いた人にしか名前呼びをさせてくれない。
だから気を使って「神田」って呼んだ。

ランマ「…神田って呼んだのは、人前だったから、だよ?」

神田「…そうか」

ユウは僕の右手を離した。
納得してくれたかな?っと思い、ふぅーとため息をついた。
ユウはそのままベッドに腰を掛けた。いつも思うが、ユウのベッドは居心地が悪そうだ。

部屋の時計を見ると、もう夜の一時を過ぎようとしていたところだった。
ユウは任務から帰ったばかりだというのに、アクマが教団に現れたのを、倒そうとしてくれた。
実際にアクマが現れていたら、皆ユウに感謝するはずだ。僕は今回の件はお説教なしに決め、ユウが座るベッドの前に立った。

ランマ「ユウ、任務が終わったばっかりだっていうのに、皆のために門番の所へすぐに向かってくれてありがとう」

神田「ふん…」

本当、素っ気ない。もう少し照れてくれたっていいじゃないか。
僕はユウの前髪あたりを撫でた。

ランマ「今日はもう遅いし、また明日ね。おやすみ、ユウ」

神田「チッ…おやすみ」

今日も可愛げがないな。
もう少し顔に合う可愛さが残ればいいのにと、ユウにはありえないであろうことを考えながら、僕は部屋を出た。

9話(神田Side)→←7話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
139人がお気に入り
設定タグ:D.Gray-man , 神田ユウ , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:欄ま | 作成日時:2016年8月24日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。