にゃあ! ページ16
遊木side
Aちゃんが学校に来なくて10日。
テニス部は暗いし、もう言うなれば
学院全体がじめじめしてて朔間先輩が棺おけで
泣き出して、とにかく三奇人があらぶってる。
僕を見ても一切追いかけてこずに
ぱっとしない顔で泉さんが通り過ぎたのは
本当驚いた。
遊木「重い…、なんで白紙が入ってるだけなのに
このダンボールこんなに重いの…」
朝早く来たばかりに佐賀美先生に
雑用を頼まれてしまい
しかも白紙を運べだと…白紙嫌いになりそう。
貴「手伝います遊木先輩。」
遊木「大丈夫だよAちゃ…ん
Aちゃん!?」
貴「おはようございます。」
いつもの凛として優しくて真面目でカッコよくて
もうとにかく僕の憧れのAちゃんとは裏腹に
気まずそうに下を向いて自信なさげな可愛い
Aちゃんになっていた。
遊木「え…と。おはよう。
もう体調とか大丈夫かな?」
貴「もう平気です!!」
ばっと顔を上げて笑顔で僕にそう告げるAは
昔の僕みたいに見えて仕方がない。
多分嘘笑いで何かあったんだろうな…。
僕はダンボールを床に置いて廊下の窓際の
座れるスペースに腰をかける。
とんとんと隣を叩けば素直にストンと座る
Aちゃんの小動物感に安心する。
遊木「何かあったでしょ?」
貴「はい」
遊木「詳しくは言えない事?」
貴「…はい」
遊木「そっか、…Aちゃん、泣きそうな時は
僕に話そっか!こんな僕でもAちゃんの
お話し相手とか相談相手になれるよ?」
貴「でも」
遊木「でもじゃない!
壊れてからじゃ治すのが大変なんだ
Aちゃんは何でも出来て強そうだけど
ただの女の子なんだよ。
可愛くて、脆くて、小さくて、
でも、居てくれるだけで強くなれる
僕らの一等星!」
だから自信を持って、そういった途端にぶわっと
Aちゃんの両手では溢れてしまうんじゃないかと思うほどの涙が零れ落ちる
綺麗な青色が涙でゆらゆらと揺れるのを
見惚れてる暇なんてなく背中を撫でて
意味もわからず泣く彼女を宥めるしかない。
遊木「よしよし。」
可愛いなんて思う僕もなかなか
重症かもしれないと思う。
こんな状況で馬鹿だよね。
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作者名:★猫魔女★
作成日時:2019年2月13日 6時