51.Do not worry ページ18
Aside
止めたかった、やめてと叫びたかった。それなのに、言葉は全て喉元でつっかえてしまう。
止めたかった、止めに行きたかった。それなのに、動かそうとしても足は動かない。
(目を開けるのが怖い…)
信じてはいる、カラ松さんが生きていることを。でも、頭の片隅では血を流し横たわるカラ松さんがいるのだ。
先程銃声が鳴ったこの部屋に、はぁはぁと吐息が聞こえた。どちらかが生きている。そして、その吐息は若い者の吐息のような気がした。それに、カラ松さんに似ている。
そんなわずかな希望に目を開けた。その先には血を流し横たわる二人の男がいた。
一人は、頭からドクドクと血を流し死者になった男。
そして、もう一人は肩を撃ち抜かれ私達を見て笑う男。
「カラ松さんっ!!!!!」
「カラ松兄さん!!!!!」
出なかった声も動かなかった足も、出るようになった動くようになった。わっと二人してカラ松さんに駆け寄る。
「もう大丈夫だ」
駆け寄った私の頰にその手を滑らせながら、私を見つめて笑った。あぁそんなに見ないで欲しい、今の私の顔は涙でぐしゃぐしゃだろうから。
「ほんっと、そういうのはやめてよね」
心配するでしょ、と私の隣で涙をポロポロと流すトド松さん。そんな彼を見てカラ松さんはすまんな、そう言い私達を抱き寄せた。
「もうっ…」
「もっと自分を大切にしてください、カラ松さん…」
そうだな、と笑うカラ松さん。
そんなあなたの目はまだ何かを捉えていた、私達ではない何かを。
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青柳(プロフ) - OnePineさん» 嬉しい言葉ありがとうございます、そんなこと言っていただけて本当に嬉しいです。とりあえずこの話を終わらせまして、そこからまた次の話に入るか検討中です。本当にありがとうございます! (2018年5月12日 10時) (レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
OnePine - コメント失礼します!この話をもっともっと読んでいたいです。ゆっくりでもいいので続けて欲しいです!よろしくお願いします。 (2018年5月11日 23時) (レス) id: cbe4ed7f38 (このIDを非表示/違反報告)
青柳(プロフ) - ミモさん» ゆっくりと更新していきますので気長にお待ちください〜!!ありがとうございます! (2018年1月21日 23時) (レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
ミモ(プロフ) - ハピエン期待ですっ!更新ファイトです! (2018年1月21日 19時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
青柳(プロフ) - 和奏*(WIIU)さん» ありがとうございます、最新も少しずつですが気長に待っていただけると嬉しいです! (2017年8月24日 11時) (レス) id: e6bd26296f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうひ | 作成日時:2016年12月23日 22時