8. 素直になれなくて、 ページ9
思わず声を漏らしてしまった
気づかなかったふりしてさっさとコンビニ出ちゃえばよかったのに。
あっち気づいてなかったみたいだし
そう思ってももう遅くて
僕の声に気づいた彼女がこちらを向く
『 トド松くん、偶然 』
愛想笑いを浮かべて、そう話しかけてくる
あー、そんな顔、させたいんじゃないのに。
「 あ、うん 」
『 な、何か買うの? 』
「 暑いからアイス、買おうと思って 」
2人とも、なんかぎごちない
ギスギスした感じ。
その場から早く逃げ出したくて、
別に食べたくもないアイスをテキトーに手に取ってレジへ向かう
『 あ、トド松くんっ 』
でも、彼女の声に呼び止められて
『 あ、あの、それ私払うよ!
さっき、ぶつかっちゃったお詫び 』
告白されたあの日
あんな振り方をした僕に、呆れたかな
傷つけちゃったかも
なんて思ってたけど
Aちゃんは今まで通り接してくれて
出会った頃からの優しさは変わらず
軽くぶつかった程度の些細なことだったのに、お詫びなんて。
お詫びしなきゃなんないのは、僕の方なのにさぁ
なんだか情けなくなった僕は
いいよ、自分で払う
と、また冷たい言い方で言ってしまう
『 あ、そ、そっか 』
あーもう。
僕の馬鹿。
Aちゃんも、アイスを買おうとしてるのか
手にはチョコバーのアイスを持っている
それを半ば無理やり奪い取ってレジへ行く僕
素直になれなくてごめん。
だから、せめて行動くらいは。
『 え、あの 』
「 ん 」
『 え!?
あっ、お、お金 』
「 いーよそんなの
僕が勝手に買っただけだし 」
買ってあげたアイスを差し出せば
遠慮がちに、
でも嬉しそうに頬を染めながら、ありがとう、と言ってくれる
それが可愛くて、直視出来なくて
また、じゃーね、なんて目も合わせずに
不器用にその場を去る僕
_______________________________________
ごめんね。
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しゃび(プロフ) - Ｒｎｙさん» コメントありがとうございます。トッティいいですよね…！あざといけどそれだけじゃない色んなものを秘めてるから、面白いし可愛いし素敵なキャラですよね。そんなトッティの魅力を少しでもこの小説でも表現出来ていたらいいなと思っております！ (2019年9月26日 12時) (
レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
Ｒｎｙ(プロフ) - やっぱりトッティ推しは止められませんね…!!何かアニメだとあざといトッティだけど、こう言う所でツンデレになるトッティ凄く好きです！！ (2019年9月26日 7時) (レス) id: 535205595b (このIDを非表示/違反報告)
しゃび(プロフ) - しーPーさん» コメントありがとうございます。一番と言っていただき嬉しい限りです。更新ペースは遅かったですが、私も書いていて楽しかったので、読んでくださる側の方も楽しんで頂けていたら幸いです。読んでいただきありがとうございました。 (2018年10月29日 22時) (レス) id: f924ce756f (このIDを非表示/違反報告)
しーPー - 今まで見てきた作品で一番面白かったぁぁぁぁぁ！！！！！ (2018年10月29日 20時) (レス) id: 616c24bce5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃび | 作成日時：2018年8月27日 21時
