ガトーショコラ【灰谷竜胆】 ページ3
「今年は手作りのガトーショコラだよ」
エプロンをしてミトンをつけた彼女はオーブンから焼きたてのガトーショコラを取り出した
「おー。Aすげぇな」
焼きたてのガトーショコラをケーキクーラーに乗せてしばらくの間冷めるのを待った
「昨日何作ってンのか気になったけど…あえて聞かなかったわ」
彼は前日の夜から慌ただしく準備をしていた彼女を気遣っていた
「昨日は夜中にバタバタしてごめんね」
彼女が昨日の夜から仕込んでいた正体はガトーショコラであった
イベントや行事ごとにこだわるタイプの彼女は気合いを入れて今日の晩ご飯を作った
「今日はせっかくのバレンタインだから
メニューもハート尽くしにしたよ」
メインの手作りチョコに加えて…
前日の夜から今日のディナーの為に色々と下準備や仕込みを行った
本日のメニューは__
メインディッシュはハート型のハンバーグ
ソースは赤ワインを使っており大人な味わいに仕上げた
バレンタイン仕様のカプレーゼもハート型にくり抜かれていた
ブーケサラダに至っては、特にビジュアルを意識して華やかさを演出した
バターライスとポトフはハート型の器に盛り付けられていた
「サラダ意外と作るの簡単でラクだった」
主に食卓を彩っている花束のサラダはコツさえ掴めば案外簡単に作れた
制作時は手袋をして作ったので衛生面に抜かりはなかった
「全体的にAの愛が溢れたメニューだな」
テーブルに料理を運びながら彼は微笑ましい目で眺めた
彼も夕飯の手伝いをしながら彼女と食事をするのを楽しみにしていた
「ふふっ…。いっぱい愛情込めて作ったからたくさん食べてね」
家で食べるバレンタインのディナーは手作りでありながらも彼女のこだわりが随所として感じられた
「A。ありがとうな」
「竜胆も手伝ってくれてありがとうね」
途中段階の味付けや盛り付けなど彼も自分ができる範囲のことは手伝った様子だ
「よしっ…!シャンパンで乾杯しよっか」
素敵なディナーにはシャンパンが合うので彼女は家にあるストックから1つ選んでセレクトした
「カンパーイ!」
2人はグラスにシャンパンを注いで一口飲んだ
「じゃあ食べよっか。いただきます!」
「ん。いただきます」
それから2人は会話を弾ませながら食事を楽しんだ
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作者名:おりたん | 作成日時:2023年2月19日 9時