空舞う花は桜色[2]【刀剣乱舞×文豪ストレイドッグス】

六十一 ページ25

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「うまっ！？ なんだこの菓子！ 本丸じゃ食べたことないな……」


「厚、ものを口にいれたまま食べるな。行儀悪いぞ」


「遠慮しないでくれ給え。エリスちゃんの分さえ残してくれるなら大丈夫だよ」


薬研、厚の2人はエリスを見る。「あとで一緒に遊んでくれるなら食べてもいいわよ」と云われ、厚はよっしゃ、とガッツポーズをした。


「それはクロカンブッシュ。そして此方は苺のタルト。どうかね？」


「くろかんぶっしゅ……？」


薬研と厚は聞きなれない単語に首を傾げる。2人を招いて様々な洋菓子を振る舞う人物――――森鴎外は穏やかに笑った。


「なあおじさん。俺たちを此処に呼んだ理由はなんだ？」


口数の少ない薬研に代わって厚が尋ねる。森の後ろで控えている構成員2人が「おじさん」という言葉にピクリと反応したが、森は大して気にしていない。


「君たちの仲間らしき人物……三日月宗近君に接触し、色々と質問をしたんだがあまり良い解答を得られなくてね……それで、」


「俺たちが答えると期待したってことか？」


薬研が森の言葉を遮る。森はそうだよ、と答えた。


「まあ政府からのお達しだと色々喋っても問題なさそうだもんな……判った、聞きたいことはなんだ？」


幼い見目に合わない堂々とした態度。それに違和感を覚えつつ森は口を開いた。


「じゃあ先ずは――――」




薬研、厚。この2人は芥川によってポートマフィア本部に来ていた。

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