百八拾二、ダブルパンチ ページ32
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「……………は」
財閥夫人というカミングアウトの右フックの次に飛んできたのは、“辞めろ”というボディーブロー
なんで、なんでなの
ここに来たからには何かを仕掛けに来たのだとは思ってはいたけれど
…何でそういう話になるの
近「そ、それは何でも急な話じゃありませんか。理由話していただけませんかね………なあ、A!」
晶「先程も言ったように、うちは日西財閥ですの。つまりAは“日西A”。うちの令嬢にあたるのです。大事な娘をこんな男所帯で危なっかしいとこに置いておけないわ。
近藤さん、貴方はここの局長さんでしたわね。何か怪我でもしたらどう責任をとるおつもりで?」
近「そっそれは…」
母上のあまりの剣幕に打ちのめされた近藤さんは、大きい図体を縮こまらせて俯いた
そしてその剣幕の矛先はこっちへ
晶「A!貴女大丈夫なの?!怪我の一つもしてないでしょうねぇ?!」
「え…っと」
治りかけてはいるもののまだ包帯の取れない右手を反射的に背中へ回す
こんな母上は見たことがないけれど、今これがバレたら何と言われるか分からない
晶「今は局長補佐をしてるらしいわね。補佐なら悪い輩とも直接戦ったりはしないのでしょう?それならまだ良かったけれど…
もし何かあって顔に傷でも作ったらどうするの?怪我しないうちに早く辞めてちょうだい」
こんな汚れ仕事、貴女みたいな女がすべきではないわ
そう言われた直後、何かがプチンと切れた
「………私は補佐だけど、戦線に出てます。怪我もします。消えない傷も出来てきました。でも…それが何ですか。
確かに明日命があるかもわからない。けれど自分で決めた仕事。危ないなんて、あんたが言えた口ですか」
晶「A…!貴女、母である私に何てことを___ 」
「じゃあ納得できるようにしましょうか」
そう言って右手で鞘から刀を抜き、自分の頬に添えた
顔に傷を作ったら何だ
女を辞められるとでも、ここに居られるとでも言うのだろうか
そんな簡単な話なら、今すぐにここで血を見せてやる
私はそれくらいの覚悟を持ってる
貴女みたいな無責任な人に兎や角言われる筋合いはない
右手に力を込め、刀をひこうとした
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作者名:ユコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oorsayui/
作成日時:2018年3月27日 3時