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「父上いなくなって、ちょっとはマシになると思ったのに」
「何がマシですか！A軍の誰もが姫様に対して同じ想いを持っていますよ」
「姫らしくない姫って言いたいんでしょ！いいじゃない、私らしくて！」
「よくありません」
生け花やお琴、茶道が何の役に立つの。
女らしさ？
…いらねぇー。
「上等じゃない。どうせ私なんて女らしくないわよチクショー」
「そこで自虐ですか！？…姫様、あなたは女らしくないと申されますが…」
「？」
「とても綺麗な顔をお持ちではございませんか。奥様に似た美しい顔」
「…ありがとう」
自虐なんてとんでもないけど。
元々できた姫様だとは思ってない。
それでも、大好きだった母上の顔に似ていると言われれば、とても嬉しい。
「さ、そろそろ籠にお乗りください」
「え？もうちょっと休憩…」
「これ以上毛利元就様を待たせるわけにはいきませんから」
「そんなこと言ったってさぁ」
「遅くなれば心配いたします」
「心配するような人かなぁ」
どうにも納得いかない。
けど、侍女に押し進められ籠のほうへ。
片足を中へ進ませようとしたその時。
「きゃああああ！！！」
悲鳴があがった。
「！？」
「何事ぞ！！」
「賊だ！！賊が襲ってきたぞ！！」
「戦闘態勢に入れ！新婦を逃がすぞ！！」
殿を務めていた毛利軍の護衛軍たちに続き、こっちの兵も刀を抜く。
賊って…大丈夫なの！？
「姫様！！早くお入りください！逃げますよ！！」
「で、でも！！彼らはどうするの！？」
「何のための殿ですかっ！！我々を逃がすためです！さぁ！！」
付き人に押し込まれ、転ぶように籠の中へ。
あわてて揺れ動く籠に、元の体制に直るにはちょっと手間取った。
「ひるむな！！押せ！！」
「早く逃がすんだ！！」
絶えない悲鳴。
城から来た侍女の声も聞こえる。
「ちょっ、ちょっと待って！」
「お静かに！早く逃げなければ！！」
籠からじゃ何も見えない。
けれど、たしかに聞こえる悲鳴と肉の切れる音。
こちら側が苦戦しているのは十分わかる。
「戦わなくちゃ！」
「何を言っておられるのです！勝ち目はございません！」
「おろして！私も戦う！」
「丸腰で白無垢の貴女様に何ができますかっ！？」
「っ！」
言葉に詰まる。
たしかに、言われた通りだった。
今の私には何もできない。
武器も置いてきた。いつもの袴は侍女の荷物の中。
「早く！早く逃げろ！」
「伝令を送れ！援軍を呼ぶんだ！」
「逃げろ！」
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黒のコ屋(プロフ) - START＊ANTEMISさん» コメントありがとうございます！5年ほど前の作品をリメイクしておりますので拙い文章ではございますが楽しんでいただければと思います！すでに30話ほど進んでるのに進展ないー！（笑）ここから頑張って二人の距離をエイエイ縮めてやりたいと思います！ (2022年4月28日 19時) (
レス) id: dbfae2dae8 (このIDを非表示/違反報告)
START＊ANTEMIS - 黒のコ屋さんはじめましてSTART＊ANTEMISと言います😺此方の作品を読ませて頂きましたが男勝りなヒロインは元就の所に嫁いで一月まだ進展が進む様子もないそうですが一体次回はどう展開していくのか！？ (2022年4月26日 16時) (レス) @page23 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年4月1日 14時
