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「姫様、便りが届いております」
「げっ」
宮のすました顔。
もう便りの差出人はだれかわかる。
「殿からです」
「あぁ、うん。もういい。いらない。大体内容わかる」
「姫様、どうぞ」
「あ、やっぱり無視なんだ」
ちくしょー。
読まなきゃだめか。っていうか、読まなくても現状は変わらないのでは。
ガサガサ
わが娘へ
そちらはどうか。
まだ春といっても、季節の変わり目。冷たい海風に体を冷やしていないか心配だ。
こちらは幾分暖かくなり、そろそろ桜の芽も出てきたというところ。
愛いらしい花弁を愛でる日もそう遠くはないだろう。
「あ、意外と怒ってない！」
などという時に、貴様は何をやっておるかっ！！
そちらへ向かう際、賊に襲われたらしいな。必ず逃げることを第一にと教えたはずなのに、
白無垢を乱して刀を取ったそうではないかっ！！この馬鹿娘！！
「おおぅ…」
婚礼の儀には毛利元就に対し無礼の一言！！勝手に席を立ち退室！！
床入りの儀も行かず、勝手に休みに入ったと聞いておるぞ！！！
どうせ上手くはいかんと思っておったが、それでも限度というものがある！
お前にはそれを嫌というほど聞かせたはずだ！
いつまでもじゃじゃ馬こいている暇があったら、毛利元就に尽くす手でも考えよ！！
「めっちゃ怒ってる」
すぐに謝罪文を送った。
気にしてはいないと返事はきたが、それも上辺の言葉であろう。
お前は毛利家に嫁いだのだ。
しっかり自覚しなければならない。
いつまでも子供ではないのだ。
これ以上、父の胃を苦しめるのはやめよ！！
「ううむ…」
「いかがでした？」
顔を見合わせる。
「めちゃくちゃ怒ってた」
「でしょうね」
即答ですか。そうですか。
好きにしていいって言ったのは毛利元就の方なのに。
「姫様、貴女様も謝罪に行かれてはいかがかと」
「えー…私悪いことしたかな？」
「とても」
「いや、そんなに悪いこと「しました」…遮んないでよ」
冷たい目が突き刺さる。
あぁ、これはお説教行きかな。
「はいはい、わかった。謝るよ」
「では、拝謁の文を―――ってこら！姫様！！！」
謝罪なんてとんでもない。
宮の説教が始まる前に今すぐ退散！…と、私は部屋を飛び出した。
「宮ー！私は謝る気がないんだよ全然！だから、その気になったら謝るわ」
フザけた調子で言えば、走りゆく後ろから「姫様！！」と怒声が聞こえたが、神経の図太い私はしっかりと無視することにした！
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黒のコ屋(プロフ) - START＊ANTEMISさん» コメントありがとうございます！5年ほど前の作品をリメイクしておりますので拙い文章ではございますが楽しんでいただければと思います！すでに30話ほど進んでるのに進展ないー！（笑）ここから頑張って二人の距離をエイエイ縮めてやりたいと思います！ (2022年4月28日 19時) (
レス) id: dbfae2dae8 (このIDを非表示/違反報告)
START＊ANTEMIS - 黒のコ屋さんはじめましてSTART＊ANTEMISと言います😺此方の作品を読ませて頂きましたが男勝りなヒロインは元就の所に嫁いで一月まだ進展が進む様子もないそうですが一体次回はどう展開していくのか！？ (2022年4月26日 16時) (レス) @page23 id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年4月1日 14時
