ノスタルジィに、レトロスペクティブに ページ5
「じゃあ、凪ちゃん。一緒にマフィアになろうよ！ 否、決定だ！ 凪ちゃんはマフィアに入れる！！」
『……、は？』
私はたっぷり十秒はフリーズした。太宰さんが云っていることの意味が理解できない。何、今、この人は何と言った。
……いや、理解、した。
『えぇええ！？ いやいやいや、はぁ！？ 何云ってんですか、莫迦ですか！』
「ええー。君にそう云われるとは心外だなあ」
『否、だってマフィアって撃ったり殴ったり脅したりとか、そう云う仕事でしょう！？ 無理ですよ！』
慌てて否定した。原作のキャラに会えるかもしれない確率が上がるのは嬉しいが、どう考えてもそれ以上に寿命が縮まる確率が上がる可能性しか考えられない。それにマフィアっていうのは普通に犯罪ばっかやるってことだろ。
クソゲーにも程がある。しかも太宰さんの周りには他の人以上に死が充満している、ジサツ未遂を私が止める為に死ぬとかいう未来もありそうで怖すぎる。絶対に嫌だというオーラを出してみるが、どうも引いてくれそうにはない。
「だーいじょぶ」と笑って私に事務仕事を任せると宣う彼。つまりそれはあなたが仕事をサボりたいというだけでは。
「──それに凪ちゃん、私はその��撃ったり殴ったり脅したり��をするマフィアの幹部だよ。それを断ったらどうなるか」
太宰さんは言葉を切った。ニコニコしているのに、全然笑ってないと思う。殺意が分かる人が世の中にはいるらしいが、そんなことなど欠片も判らない私でさえぞわぁっと鳥肌が立つくらいだった。
あぁコレは、どう考えても──断ったらアカン奴だ。大体太宰さんの敵と同じくらい彼には味方が存在して、つまりそれ全てを敵に回すとかいうのは私には(彼が言うことを真似する訳ではないが)ジサツ行為という訳である。
『ッ……、わかりましたよ、やりますよ、やりゃあいいんでしょう！？』
ヤケになって車内で叫べば、じゃあコレ、とよく判らない紙を一枚とペンを一つ手渡される。要するにサインしろということらしい。彼のことだからふざけた内容を書いてくるかと思ったが、意外にも良心的な内容だった。
サインしない理由はない、どうやら衣食住を負担してくれるようだからなぁ。
「うふふ。──じゃあ此れから宜しくね、凪ちゃん？」
……取り敢えず何にしても、元の世界へどうやって戻ればいいのか。むしろ戻れるのか。
早々に
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 619人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白夜の世界 - ユーヒ様、申し訳御座いません。ですが、優姫ちゃんは死んだおりません。作品の中では余り細かい描写をしていないのですが、今昏睡状態になっております。…あと、本当にどうでもいいかもしれませんが、ユウキちゃんです…。御気分を悪くさせてしまい申し訳御座いません (2019年4月3日 7時) (
レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ゆきな様、ありがとう御座います！其方もお体に気をつけて下さい！ (2019年4月3日 7時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ユーヒ - 夢主の親友が私と同じ名前で、死んだって聞いて何かショック。('' ) (2019年4月3日 1時) (レス) id: 1dd8890cea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ヤバい太宰さん変t))ん"ん"…織田作かっこいい！(中也さん推し)これからも無理せずに頑張ってください (2019年4月3日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 船長様、ありがとう御座います！此れから続編へ行きますので、どうぞ次の話も、宜しくお願いします！ (2019年4月2日 15時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2019年2月24日 21時
